脇屋シェフから薫陶を受けた愛弟子が渋谷に九州愛あふれる中国料理店をオープン!
皿ごとの緩急が絶妙のおまかせコース
それではおまかせコースから数品ご紹介しましょう。こちらの「前菜の盛り合わせ」には、蒸した海老芋とローストした松の実に熱したピーナッツ油をまとわせて調味料と和える「海老芋と松の実のロースト」や「筍と芥子菜の漬物
紹興酒炒め」、クラゲは黒酢とニンニクで、キクラゲは甘酢で漬けて味の変化を楽しませる「クラゲの頭とキクラゲの酢漬け」といった伝統料理や、発酵唐辛子や五香粉などで味付けした“中華版”「パテドカンパーニュ」「青山椒のスパニッシュオムレツ」「クミン風味のニンジンラペ」、クローブと西洋シナモンとブルーベリーで漬けた「ビーツのピクルス」のようなアイディア料理が並び、さながら宝箱のよう。
こちらは看板メニューの「焼豚」です。使用するのは鹿児島県鹿屋市の「ふくどめ小牧場」でしか飼育していない「幸福豚」のバラ肉。客が着席してから焼き始め、コースの3品目で焼き立てを提供します。
たまり醤油や大豆味噌などで甘く漬けた豚は濃いめの味付けながらくどさはなく、塩味の利いたピーナッツと一緒に頬張ると、その甘じょっぱさに箸が止まらなくなります。上海だとピーナッツは煮るそうですが、平賀さんはカリっと炒っています。 アラカルト(2,200円)でもオーダーでき、この味にハマって追加する人も。
こちらは本日のメイン料理。ドフィノワをイメージしたジャガイモのグラタンの上に、黒酢で味付けした熊本県天草市「田中畜産」の黒毛和牛と福岡県能古島産の「ピーナッツもやし」と糸島「久保田農園」のハーブをのせ、最後にケイジャンスパイス粉を振りかけエスニックに仕上げた一皿。シャキシャキした食感と豆の味が強調されたピーナッツもやしがいいアクセントになっています。付け合わせには肉まんの生地で作ったフォカッチャ風のパンを。蒸しパンにしないところがニクイ!
甘めに味付けした肉には刻んだザーサイを入れた爽やかなニラソースを合わせ野菜もふんだんに盛り付けたり、酸味の強さはスパイスで調和させるというように、平賀さんの料理はバランス力が本当に素晴らしい!