愛車のトライアンフは直すところだらけ!ついに修理工場へ|『Octane』UKスタッフの愛車日記
『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、長年の劣化を経た1960年代のトライアンフが、修復作業を担当したジェームズ・ゴドフリー=ダンの手を経て、見事に蘇るまでの過程を追う。 【画像】愛車1965年トライアンフ2.5 PIレストアの過程(写真5点) ーーーーー 事態は急展開した。私のトライアンフのかなりの部分が腐っていることはもともと分かってはいたが、昨年5月、GDクラシックサービスのジェームズ・ゴドフリー=ダンのもとにやっと送り込んだ主な理由は、2000年代初頭にアンディ・トンプソンと一緒にトライアンフのドアをいくつか運んだときに破れたヘッドライニングに、もういい加減うんざりしたからだ。現在行なっているのは、車のあらゆる錆の取り除き、外装(エンジンルームとトランク内も含む)の塗装、新しいディファレンシャルのセッティング(マット・ジョージに感謝だ)、ギアボックスの完全なオーバーホール、そしてエンジンのちょっとした調整である。 これまでで最も高額な作業の一つになるが、すべてが終わる頃には、ほぼ完璧な2000/2.5PIになるだろう。正直に言うと、当初の見積もりからの増額のうち90%以上はジェームズのコントロール外の要因、つまり塗装と私の気まぐれな要求によるものだ。しかし30年近くも忠実に働いてくれた車の価値を考えればプライスレスである。これで今後もさらに30年は走ってくれることを期待できるのだから安いものだ。 トライアンフが10か月前にJGDのユニットに入って以来、ジェームズの仕事ぶりは素晴らしいものだった。その作業はスクリーン周りからサブフレームの取り付けポイントに至るまで、広範囲にわたる。両側の新しいインナーとアウターシル、新しいフロアパン、アウトリガー、インナーアーチの一部、ウィングの半分、Aピラーの修理、ノーズパネルの半分、そして腐ったバランスパネルも新たに作り直した。 このように羅列するだけでは、実際の作業量や、その作業の重要性を十分に伝えられない。元JLRクラシックの技術者であるジェームズは、「ショールーム」クラスの作業を施してくれたのである。それは私が期待していた「堅実かつ見た目も良い」というレベルを遥かに超えるものであった。 ジェームズにこの作業を依頼する多くの利点の一つ(ティム・バンクロフトの推薦に感謝)は、JGDクラシックサービスのユニットがデイブ・ピアソンのCanley Classics(canleyclassics.com)の敷地内にあることである。デイブは必要なほぼすべての部品を揃えているだけでなく、警察仕様のオーバードライブギアボックスの組み立ても引き受けてくれた。このトライアンフのギアボックスは、彼が今まで見た中で最悪のギアボックスの一つだと彼は笑いながら言う。レイシャフトが不均一に摩耗しており、カムシャフトのように見えたためだ。費用を抑えるために、デイブには1977年のローレンス・ワッツによるトライアンフ2600エンジンの大型カットモデル(エンジン内部の構造が見えるように切り取られた実物大の展示用モデル)を賄賂として贈った。 ここで特に感謝の意を表したいのは、他のほぼすべての金属部品を供給してくれたロイド・リードである。ありがとう、友よ! この記事を書いている間に、ジェームズはトランクを仕上げており、その後私の「ビースト」は塗装工場に送られる。1990年代初頭から身に纏うカクタスグリーンと黒い屋根の再塗装のためだ。そしてジェームズの元に戻り、再び組み立てが行われ、最後にヘッドライニングが仕上げられることになる。 文:James Elliott
Octane Japan 編集部