「正月が怖い」能登被災者のいまの思い 復旧の遅れに憤りも…“家の再建が復興の始まり” 地震と豪雨の“二重被災”で葛藤続く 小川キャスター現地取材【news23】
避難所を運営する丸山さんは… 大谷地区 区長会 丸山忠次 会長 「行政・国も含めて、いろいろやっていただいて、ここまできたのは非常にありがたいと思っています」 感謝を口にする一方で… 丸山忠次さん 「1年かかって水道が来てないという現状、これどう見ますか?」 復旧の遅れに憤りを覚えていました。そして、こう訴えます。 丸山忠次さん 「私は国にお願いしたい。今の現状を見ていただいて、まず復旧に対して実態を見に来て、正常じゃなかったら正常に戻してほしい。(要請を)待っていることに私は納得できない。 でもほとんど諦めています。これがこの国の力だと思っているから、もういくら言ってもしょうがないねと」 地震による死者はこれまでに504人。そのうち、避難所生活など急激な環境の変化で亡くなった災害関連死は276人(新潟・富山の6人含む)に上る見通しで、建物の倒壊などによる直接死228人を上回っています。 ■「景色が変わった」津波が襲った町の今 元日の地震で4mを超える津波に襲われた地域もありました。(能登町白丸:4.7m 珠洲市飯田港:4.3m) 2.9mの津波が確認された珠洲市宝立町。この町で過ごした人々の1年は… 栃平照子さん(61) 「あっという間に気づけば正月だねって感じ。何も考えずにいたかもしれない。豪雨もあったし、本当かな?みたいな」 幸ずし 脇田勉さん(77) 「がっくりくるね、やっぱね。知っていた人がおらんようになると」 幸ずし 脇田賢さん(54) 「景色がだいぶ変わってしまったから、こういう大きい地震というのはひどいなと思った」 ■地震と豪雨“二重被災” 再建悩み続け この町で生まれ育った梅木俊幸さん。発災の3日後に取材をしました。家族と一緒に逃げた高台で、故郷を襲う津波を目撃しました。 再び、梅木さんとその高台へ向かいます。広がっていた、地震の傷跡。 梅木俊幸さん 「もう1年経ちますけど、また1月1日になったら、また地震が来るんじゃないかとかって、ないとは思うんですけども、少し思ったりとかもします。記憶からは一生抜けることはない」