「正月が怖い」能登被災者のいまの思い 復旧の遅れに憤りも…“家の再建が復興の始まり” 地震と豪雨の“二重被災”で葛藤続く 小川キャスター現地取材【news23】
藤森祥平キャスター: 1年経っても水道がまだ戻っていないところもありながらも、心を日々繋いでる方々の言葉は本当に重たいですね。 株式会社QuizKnock 伊沢拓司さん: 改めて思ったのは、復興とは物理的・精神的・個人的なものです。 だから、数字だけを見て復興が進んだ・進んでないとは言えなくて、個人のミクロな状況に気を配っていかないといけないものなのかなと思ったときに、いま何が求められてるのかを、国や行政に、よりミクロに伝えてほしいなと思います。 ロードマップが見えない状況もあり、石川とか富山で復興ロードマップみたいなのは出されていますが、大きすぎて個人にとっては『うちはいつ解決するんだろう』ってなってしまいがちなので、ミクロな状態で復興について伝えられる状況が欲しいです。 それは被災者の方にとっても、我々被災してない地域の人間にとっても、より知りたい情報なのかなと思います。 例えば、ふるさと納税は今年能登にしようと思いましたが、状況が厳しいから品目が減っていました。そういった時に『代理寄付』という手段があります。被災してない他の市町村で寄付をすることによって、税の負担や行政の手続きを、能登だとやっていると手間がかかってしまうので、他の自治体が代わりにその寄付の手続きをやってくれるという納税の手段もあります。 秋田・兵庫・熊本など関係ない地域でもやっていて、こういったものを使うことができると広報をよりしていただけるといいのかなと思います。 発信というのはつくづく難しく、それは東日本大震災のときから言われていますが、より我々に伝わるような形での発信をお願いしたいなと思いますし、メディアからも僕は発信していきたいなと思います。 東京大学准教授 斎藤幸平さん: 私はむしろ逆に、マクロに見ること、「数字」が大事だと思います。 復興してるっていう数字が大事なのに、実際見たら3割ぐらいしか家も結局解体されてないし、公費解体も34%しか作業完了していません。 除去や水道も含めて、東日本大震災のときと比べると、あのときは特措法とかもありましたが、能登への対応は遅いと思います。 ほったらかしの状態が続いているような中で、豪雨が襲って、これから寒くなっていく中で心が折れてしまう人もきっと出てきます。