バレー久光製薬が女王奪還 石井優希「ホッとしました」、今村優香「自信になります」
バレー久光製薬が女王奪還 石井優希「ホッとしました」、今村優香「自信になります」
平成最後の天皇杯・皇后杯バレーボール全日本選手権、女子は久光製薬が2年ぶり7回目の優勝を決めた。「何度も苦しい場面があったが、チームが一つになって乗り越えた。王座奪還できてよかった」と酒井新悟監督。男子はJTが4年ぶり3回目の頂点。「広島は豪雨という苦しいことがあったので、タイトルを持って帰ることができてよかった」と井上航。山本将平主将は「被災された方に明るいニュースと元気と感動を与えられるようにリーグも頑張りたい」とさらなる健闘を誓った。 【写真特集】バレー久光製薬が女王奪還
岩坂主将「勝てて本当によかった」
フィナーレは新鍋理沙のサービスエース。平成最後の皇后杯、歴史に名を刻んだのは久光製薬スプリングスだった。昨年トヨタ車体に明け渡した女王の座を、その車体を破って奪い返した。コートは笑顔と安堵と涙……抱き合い喜ぶ姿も。 「去年悔しい思いをしたから、年内最後の試合を勝って終われてよかった。一発勝負、初戦から全員で苦しみながらも助け合って……勝てて本当によかった」と岩坂名奈主将。 「ずっとタイトルを取ってきたチームなので負ける悔しさは強くある。だからこそ今回は絶対、頂点を取りたい」と話していたエースの石井優希は「ホッとしました。優勝できて嬉しいです。みんながつないでくれたボールをどうにか点数にしたかったので決められてよかった」と笑顔。今シーズン、Vリーグでも先発で石井の対角(レフト)を務める今村優香も「天皇杯にかける思いは強くあった。私自身もチームとしても自信になります」と目を輝かせた。 「優勝」という最高のクリスマスプレゼント。ファンも大喜びだった。
アメリカ代表のアキンラデウォが新加入、V・プレミアリーグ開幕から無傷の15連勝、その勢いで6連覇を狙って臨んだ昨年の天皇杯・皇后杯は準々決勝でデンソーにフルセットで敗れた。まさかの敗退……。 「自分たちのミスから相手をリズムに乗らせてしまった。いつもだったら決まるコースが決まらずバタバタして……」と岩坂。「終わったことが信じられないというか……ずっと勝っていたし、連覇を意識していないわけではなかったので。今まで積み上げてきたものを自分たちで壊してしまった。すごく悔しかった」と新鍋理沙も振り返った。 「去年の悔しさを晴らしたい」──。負けず嫌いなチームに火がついた。 「自分たちがやるべきことをしっかりできれば、負けることはない。目の前の1戦1戦に集中して勝ちに行く」 しかしプレッシャーのかかるトーナメント。勝ち抜くのは容易ではない。リーグでも課題にあがる「入りの悪さ」「バタバタ」が初戦(春高バレー優勝の金蘭会高校)から出てしまう。 第1セットはジュースとなり、26-24で取り、3-0で勝利したものの納得いかない内容に「試合をしながらコートの中で修正していくことが多くある」と、反省の言葉ばかりだった。