台風の平均寿命は5日!? 発生の仕組みや強さを判断する基準とは? これからを生き抜くための気象の知識
日本は世界のなかで台風の上陸が多い国。8月から9月は上陸する回数が1年のうちで最も多く、天気予報のチェックが欠かせませんね。そもそも台風はどうやってできるのでしょう? また、台風の平均寿命はどのくらいなのでしょうか。台風の構造やその一生を『こども気象学』(新星出版社刊)から解説します。
台風の寿命は5.2日!?
熱帯・亜熱帯地方の海上で発生した台風は、発達しながら移動し、もっとも勢力の強い最盛期を迎え、その後、衰弱期に入り、大陸に上陸して弱まったり、北上して温帯低気圧へと姿を変えたりして一生を終えます。 台風の平均的な寿命は、およそ5.2日ですが、中には20日近く台風であった長寿台風もあります。 【発生期】 熱帯地方の海上では、暖かい海から蒸発する豊富な水蒸気があり、積乱雲をたくさんつくって、そこに集まってくる空気の流れが地球の自転の影響で渦巻き状になります。この渦巻きができると、ますますまわりから空気が集まってきて、水蒸気も多くそして上昇気流もできやすくなります。それがまた渦巻きの流れを強めて、最大風速が秒速17.2mの条件を超えると台風になります。 【発達期】 暖かい海の上を進んでいくと、豊富な水蒸気をエサとして台風は発達していきます。そのうちに台風の目ができるようになり、目のまわりには壁雲と呼ばれる背の高い積乱雲と強い上昇気流ができるようになります。 【最盛期】 最盛期は、中心の気圧がもっとも下がり、台風の風速が一番強い時期。勢力の強い台風ほど、目がぱっちりとしています。この時期に、台風の進行速度が遅くなり、進路が西向きから次第に北、北東向きに変わることがあり、これを転向と呼びます。 【衰弱期】 台風が北に進み、海水の温度が下がったり、陸上に達したりすると水蒸気量が減って、台風は弱くなっていきます。偏西風に乗ってから温帯低気圧に変わることもあり、その場合、温帯低気圧として逆に発達する場合もあるので、安心はできません。