木に触れるワークショップ、伐倒アクティビティ…「健やかな森を守る」ユニークな取り組み[FRaU]
そこで村全体で取りかかったのが、適切に管理された美しい森林に囲まれた地域をつくろうという「百年の森林づくり事業」。「50年生の森を100年生にしよう」をコンセプトに、まずは山林の個人山主を探して連絡・交渉し、10年間の長期施業管理委託契約を結んだ。
作業道の設計や間伐などの施業の発注、FSC認証の取得、補助金申請まで一括管理しているのは、村から委託された企業、百森だ。10年が経ち、さらに山林の多様な価値を最大限発揮するための取り組み「森林のRe Design」も展開中。
同時に「定住しなくてもいい」というキャッチコピーで地域内ベンチャーの起業を促進してきたことで、移住者が人口の約15%にまで増加。森林や間伐材を活用した商品開発やマーケティングも進んでいる。
そのうちの一社で、間伐材を使った床材を製作・販売していたエーゼログループは、「人間の活動によって劣化した生態系を再構築する事業にしたい」という思いから、「森のうなぎ(鰻)」をはじめ、ジビエや「百森蜜(蜂蜜)」などの商品を開発。
見捨てられていたものに新しい価値を見出す事業からも、山林の新たな可能性が広がっている。
東京チェンソーズ(東京都)
子どもたちに森林を身近に感じてもらうために。 東京・檜原村を拠点にする〈東京チェンソーズ〉は、柔軟な発想で林業を活性化させ、森と街の共生を目指す新世代の林業会社。
子ども向けの取り組みの一つ「森デリバリー」では、地元の未使用材を利用しておもちゃやコースターを作ったり、苗木と丸太を見せて木が育つということを感じてもらったり、木育・木工・アウトドア体験の出張ワークショップを行う。 子どもと一緒に山に登ってきこり体験をし、本格的な学習机を作るという「6歳になったら机を作ろうin東京・檜原村」も人気のイベント。午前中はのこぎりやロープを使った間伐体験、午後は本物の木工道具での机作りと、なかなかの大仕事だが達成感はひとしお! 自分で作ったという実感が自信につながると好評だそう。