歴史ある「世界でもっとも醜い犬」が今年も決定! 優勝した“8歳のペキニーズ”とは?
「世界でもっとも醜い犬コンテスト」は1971年に創設され、1988年からはアメリカ・カリフォルニア州ペタルマのソノマ・マリン・フェアで開催されている。コンテストの結果は世界中で報道されるほど、犬好きなら誰もが知る有名な大会だ。 【画像】優勝した“8歳のペキニーズ”ほか記事の画像を全て見る 去る6月22日、2024年度の「もっとも醜い犬」が決定した。優勝したのはオレゴン州クーズ・ベイ在住のアン・ルイスさんの飼い犬である「ワイルド・タン」(ペキニーズ、オス、8歳)。
ワイルド・タンはこの大会に5回出場している。過去3回は2位だったが、今回初めて栄冠を手にした。
個性を称えるコンテスト
ワイルド・タンは生後10週目に犬ジステンパーと診断された。この病気により歯が生えなかったため、舌が垂れ下がっている。加え、片方の足に筋肉障害が残り、右前足はパタパタと動き続けている。
体に不自由はあるものの、アンさんの愛をいっぱい受け、静かに幸せに暮らしている。 このコンテストは、動物の外見至上主義を助長するためのものではない。オフィシャルサイトには「(このコンテストは)“醜い”犬をからかうためではなく、素晴らしい個性を持つ犬たちと楽しく過ごし、彼らが本当に美しいということを世界に示すためのものです」と書かれている。ユニークな容姿を称え、保護犬の里親が増えることがコンテストの目的だ。
物語を持つ犬たち
ワイルド・タンだけでなく、出場犬のすべてが「各々の物語」を持っている。参加犬のほとんどが保護施設に1度引き取られ、その後里親を見つけた犬とのこと。2位を受賞したのは14歳のローム(パグ、オス)。
ロームは歩くことが出来ないため、車いすに乗っている。 「このコンテストは『不完全だけれど、だからこそ完璧(に美しい)犬』を世に知らしめている点が素晴らしいと思います」と、ロームの飼い主であるミシェル・グレイディさんは語っている。 3位に輝いたのは、14歳のデイジー・メイ(雑種、メス)。
デイジー・メイは2歳の時に路上に捨てられているところを保護された。毛と歯を失い、盲目だという。 飼い主のエリザベス・ホワイトハウスさんは、「(デイジー・メイが)『もっとも美しい“醜い犬”』になると思っていましたが、(人々は)私ほど彼女の美しさに気づいていないのかしら?」とコメントしている。