【国民健康保険】みんなきちんと払ってる?保険料の収納率を都道府県ごとに解説
厚生労働省は2024年8月8日に「国民健康保険の財政状況について」を公表しました。 ◆【一覧表】国民健康保険料、みんなきちんと払ってる?都道府県ごとの収納率 都道府県の財政や収納実態は、どのような状況になっているのでしょうか。保険料を負担に感じている方も多いと思いますが、収納率が高いかどうか気になるところです。 今回は、健康保険の財政状況について解説します。 記事の後半では、国民健康保険の保険料についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
保険料の収納率とは?
保険料の収納率は「調定額」のうち「収納済額」の割合を指します。 ・調定額:納付すべき保険料として確定している金額 ・収納済額:実際に保険料として納付された金額 収納率が高いほど、健全な財政状況といえます。 安定した財政運営をするために、収納率の向上が重要です。 とはいえ、自治体のなかには収納率の低下が問題となっています。 ●国民健康保険料の収納率が低下する主な要因 収納率が低下する主な要因は、以下のとおりです。 ・自治体の人口増加:人口の多い自治体は収納率が低下する傾向にあります ・経済的な理由:低所得者や失業者の増加で収納率が低下する傾向にあります ・保険料の増加:健康保険の保険料が増加すると収納率が低下する傾向にあります 各自治体では、収納率を向上させるためにさまざまな取り組みを実施しています。 主な取り組みは、以下のとおりです。 ・多言語で収納方法をアナウンス:外国人向けにホームページ等で呼びかけ ・収納方法の多様化:振込や口座振替だけでなく電子マネーでの支払い では、各都道府県の収納率がどのような状況となっているのか確認しましょう。
都道府県ごとの収納率
厚生労働省が公表した「国民健康保険の財政状況について」から、以下の項目について確認します。 ・収納率の全国平均 ・各都道府県の収納率 ・保険料の滞納世帯 保険料収入が前年度と比べて2%減少しているなかで、各都道府県の収納率がどのような状況となっているか確認しましょう。 ●国民健康保険料の収納率の全国平均 収納率の全国平均は、94.14%でした。 各年度ごとの推移をみると、以下のとおりです。 2018年度から増加を続けていましたが、2022年度は減少しました。 特に、5万人以上の市部は減少率が最も高く、2021年度から0.22%減少しています。 また、市部平均は93.93%でしたが、5万人未満の市部を除きすべての市部で平均を下回りました。 最も収納率が低かったのは「政令都市及び特別区」です。 では、都道府県ごとの収納率を確認しましょう。 ●国民健康保険料の各都道府県の収納率 都道府県の収納率は、以下のとおりです。 ・島根県:96.82% ・佐賀県:96.30% ・大分県:96.16% ・京都府:96.13% ・福井県:96.08% ・長野県:96.05% ・北海道:96.04% ・山形県:96.01% ・高知県:95.92% ・新潟県:95.87% ・滋賀県:95.84% ・山梨県:95.80% ・愛媛県:95.78% ・岩手県:95.73% ・鳥取県:95.66% ・山口県:95.60% ・宮城県:95.54% ・愛知県:95.51% ・富山県:95.50% ・奈良県:95.46% ・和歌山県:95.37% ・石川県:95.06% ・宮崎県:95.00% ・長崎県:94.99% ・秋田県:94.98% ・岡山県:94.97% ・徳島県:94.92% ・静岡県:94.90% ・鹿児島県:94.73% ・兵庫県:94.64% ・岐阜県:94.61% ・神奈川県:94.47% ・広島県:94.41% ・群馬県:94.38% ・青森県:94.33% ・熊本県:94.27% ・沖縄県:94.25% ・三重県:94.23% ・福島県:93.93% ・埼玉県:93.91% ・福岡県:93.76% ・茨城県:93.63% ・香川県:93.22% ・大阪府:93.18% ・栃木県:92.85% ・千葉県:92.42% ・東京都:91.31% 全国平均の収納率を下回っているのは9都府県となりました。 また、ワースト3となっている栃木県、千葉県、東京都は2021年度に続きワースト3となっています。 では、保険料の滞納世帯を確認しましょう。 ●保険料の滞納世帯 国民健康保険の保険料を滞納している世帯数は、190万世帯でした。 滞納している世帯の割合は、11.5%でした。 およそ10世帯に1世帯が国民健康保険の保険料を滞納しています。 では、国民健康保険の保険料がどのように決められているのか確認しましょう。