競技歴4年で代表入り、海外4年目で最高峰リーグへ。ハンドボール・吉田守一の原動力とは
海外生活は自炊が基本。フィジカルを維持するために試行錯誤も
――戦術的なことなど、言語の壁もあると思いますが、フランス語でのコミュニケーションはどうしているのですか? 吉田:4月末にようやくフランス語のレッスンが始まったので、僕はまだフランス語は話せないんです。ただ、英語はしゃべれるので、戦術はボードを見ながら英語でコミュニケーションを取っています。でも、フランス語のほうがコミュニケーションを取りやすいので、早くしゃべれるようになりたいですね。やっぱり言語で信頼されなかったら困りますから。 ――ハンドボールはボールがないところでの駆け引きもかなり激しいですよね。ヨーロッパは体格の大きい選手も多いですが、ケガの予防にはかなり気を遣っているのですか? 吉田:特別に何かをしているというわけではないのですが、僕はそんなに大きいケガをしたことがなくて、長期離脱したことも一度もないです。海外では基本的に自炊なので、体づくりという点では、自分なりに工夫しながら栄養を考えて作っています。 ――強靭な体を維持するのはすごく大変そうですね。 吉田:本当に大変なんです(笑)。ただ、筑波大学時代に栄養学を学んでいたことが生きていますね。食材は現地で調達しているのですが、米とか肉とか卵とかはよく食べています。一日何キロカロリーとか細かく決めてはいないんですけど、なるべく食事の回数を増やして、量も多く食べるようにしながら、何を食べたら体がフィットするか、自分なりに試行錯誤しています。 ――代表でもクラブでも今後はさらなる飛躍が期待されますが、競技普及の観点から、どんなふうに競技を盛り上げていきたいと思っていますか? 吉田:スポーツをやるからには勝たないと楽しくないし、日本でハンドボールをメジャーにするには勝たないとメディアの注目度とかも上がっていかないので、僕はトップを目指します。ビッグクラブでしっかりお金も稼いで、子どもたちに夢を与えたいと思っています。 <了>
[PROFILE] 吉田守一(よしだ・しゅいち) 2001年3月26日生まれ、和歌山県出身。プロハンドボール選手。193センチ、106キロ。ポジションはピボット(PV)で、恵まれた体格を生かして彗星JAPANの守備の要を担う。那賀高校入学後にハンドボールを始めると、4年目の筑波大学1年時にアジア選手権で日本代表に選出。20年2月よりポーランドリーグのタルヌフに加入し、3シーズンプレーしたのち、今季からフランスリーグのダンケルクに所属。来季は強豪ナントと2年契約での移籍が決まっている。7月に開催されるパリ五輪を控え、21年の東京五輪(11位)に続く2度目のオリンピック挑戦でメダルを目指す。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]