競技歴4年で代表入り、海外4年目で最高峰リーグへ。ハンドボール・吉田守一の原動力とは
トップリーグでの進化。「フランスでも通用するんだと自信になった」
――今季はダンケルクでフランスリーグでの1年目を過ごしましたが、どんなシーズンでしたか? 吉田:ダンケルクは中盤よりちょっと下くらいの位置づけのクラブですが、今季はキーパーの主力が欠けた中でも、崩れすぎずに進めてこられたのはよかったです。1年目だったので最初は出られるか心配だったんですけど、ダンケルクでは最初から監督が信頼してくれて、試合で使ってくれたので、フランスでも通用するんだと自信になりました。 ――ダンケルクのフランク・モリス監督は吉田選手のプレーについて戦術理解度の高さや頭脳的なプレーを評価されていますが、実際、ポーランドからフランスへと戦いの場を移して、どんな部分が成長したと実感していますか? 吉田:ポーランドでは、基礎的な部分でブロックの強度などが成長しました。フランスではその延長線上で、すべてのプレーをより高度にすることが求められます。フランスはフィジカルを使いながらプレーすることが多いので、その面ではポーランドよりハードな試合が多いですし、どのチームも攻めどころが分かっていて、頭を使ったプレーも求められます。 ダンケルクは動画を見て選手同士でミーティングをすることも多いので、戦術的にも向上したと思います。高校時代は戦術的なことは全然分かっていなかったので、海外でヨーロッパのハンドボールが身についてきたと思います。 ――4月28日にはリーグ9連覇中の首位・パリ・サンジェルマンと対戦して、リードしながらも最終的には27-34で敗れてしまいました。この試合の手応えはいかがでしたか? 吉田:アウェーだったので、雰囲気に飲まれてリードを守りきれず、追いつかれ、追い抜かれて、そのままズルズル行ってしまいました。フランスの中でもトップのチームなのでやっぱりうまいですし、他のチームとは質が全然違いました。 ――リーグの公式サイトは、言語がわからなくてもとても見やすく、運営体制の充実ぶりも窺えます。環境面の変化はいかがですか? 吉田:運営がしっかりしていますし、ダンケルクはトレーナーさんが多く、コーチも2人体制で指導の質も高いです。リーグからは監督や選手向けに対戦相手の分析に使えるスタッツが共有されていて、各選手のシュートやゴール、ミスなどいろんな項目の細かいデータも自分で見られるのは大きいですね。 ――会場が満員になることもよくあるそうですが、会場の雰囲気はいかがですか。 吉田:観客は熱狂的で、応援しているチームが点を決めたら盛り上がるし、相手が決めたらまったく盛り上がらなくて、ホームとアウェイがかなりはっきりしていて、プレーしていて楽しいですね。ヨーロッパはスポーツ文化が根付いていることが大きいと感じました。