【図解】「まん延防止措置」東京など13都県延長 感染防止対策の内容は?
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は東京や愛知など13都県に適用している「まん延防止等重点措置」を3月6日まで延長することを決めました。合わせて2月12日から高知県も追加し、対象地域は36都道府県に拡大します。新たな変異ウイルスである「オミクロン株」が猛威を振るう中、どのような対策が取られるのでしょうか。国のコロナ対策の基本方針と各都道府県の実際の対策についてまとめました。 【図解】新型コロナ「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の違いは?
Q:対象地域はどこ?
まん延防止等重点措置とは、緊急事態宣言を出す状況に至らないよう、急激な感染拡大が見られる地域に絞って予防的・集中的な対策を行うものです。対象となった都道府県は、その都道府県内でエリアを指定し、飲食店への時間短縮営業の要請や命令などを行うことができます。緊急事態宣言を解除した地域で適用されるケースもあります。 今回のまん延防止等重点措置は、1月9日から沖縄、山口、広島の3県を対象に適用が始まり、21日からは東京や愛知など計13都県が追加されました。さらに27日からは大阪や北海道など計18道府県が追加。2月5日からは和歌山県も加えられました。 2月10日には東京など13都県への重点措置が3月6日まで延長されることが決まり、2月12日から高知県も追加されます。これによって対象地域は計36都道府県に拡大します。 緊急事態宣言では対象が都道府県単位になるのに対し、まん延防止等重点措置では対象の都道府県こそ政府が決めるものの、具体的な市区町村・エリアは知事が指定します。例えば東京都は都内全域、大阪府も府内全域が対象です。愛知県は当初、名古屋市や豊橋市など52市町村が対象でしたが、2月12日から県内全域に広がります。
Q:国のコロナ対策の基本方針は?
重点措置が適用される都道府県の対象区域では、▽飲食店への時短要請▽イベントの人数制限、などの対策が想定されます。 コロナ対策を記した政府の「基本的対処方針」によると、感染防止対策が取られていると認証された飲食店(認証店)については午後9時までの時短要請が基本となり、それ以外の飲食店(非認証店)は午後8時までの時短が求められます。酒類については、認証店については知事の判断で提供停止を要請することを可能とし、非認証店には停止を要請します。 また、同一グループの同一テーブルでの5人以上の会食を避けることも求められます。 イベントの人数制限は、感染防止安全計画を策定して都道府県の確認を得られれば「人数上限2万人かつ収容率の上限100%」での開催が可能。上記の要件を満たしていないイベントは「人数上限5000人かつ収容率の上限50%(大声あり)・100%(大声なし)」での開催が知事から要請されます。 政府は昨年11月、ワクチンの接種歴か陰性の検査結果を提示することで人数制限を緩和する「ワクチン検査パッケージ」制度を打ち出しました。しかし、年明け1月以降、オミクロン株の感染が急拡大する中で、ワクチン接種後に感染する「ブレイクスルー感染」が増えていることから、今回は「原則として、当面適用しない」ことを決めました。ただ政府は、都道府県知事の判断で適用することも可能とする、と説明しています。 さらに会食やイベントの人数制限に関して、対象者に全員検査を行った場合には、知事の判断によって緩和することも認めています。 感染力が強いオミクロン株のまん延で保育園などの休園が相次いでいることを受け、子どもたちに対して「可能な範囲で、一時的に」マスク着用を推奨することも盛り込みました。ただ2歳未満には勧めず、「発育状況等からマスクの着用が無理なく可能と判断される児童」との但し書きがつけられています。着用に際しては、息苦しくないかなど子どもの体調変化に十分注意することとしています。 そのほか、3回目のワクチン接種が遅れている現状を踏まえ、「2月のできるだけ早期に」1日100万回の接種を目指して取り組みを加速化することも明記しました。 各都道府県のコロナ対策は、上記の政府の基本的対処方針に沿って策定されますが、詳細は都道府県ごとに決められます。