松本人志は‟完全敗北”だったのか…やっと見えた!「芸能界復帰への道」弁護士が指摘する「被害女性&文春とのある合意点」の可能性
弁護士「この訴訟は現実的な選択肢ではなかった」
こうした状況で期日を重ねると、冷静に現実的な判断を本人が下すことが多いからです。マスコミ報道レベルで出ている情報を分析した限りですが、年内決着で終わった経緯を見たところ、法律専門家としては、この訴訟は現実的な選択肢ではなかったのだろうと判断せざるを得ません。 ーー松本氏側が解決を急いだ理由は何が考えられると思いますか。 野澤隆弁護士 あくまで推測ですが、今回の件には、松本人志さん自身の人気商売としての側面と、吉本興業という組織を守る側面の両方が影響していると思われます。芸能人にとって、5年や10年という長い時間を無駄にすることは致命的です。また、松本人志さんのような大物の場合、その行動や印象は個人だけでなく、吉本興業という組織全体に影響を及ぼします。 もし裁判が長期化すれば、その影響は同じ事務所の芸人仲間にも波及し、多大な迷惑をかける可能性が高いです。特に吉本興業が関与しているクールジャパンや大阪万博といったソフト分野の事業では、企業ブランドやイメージの維持が極めて重要になります。
松本人志の完敗だったのか
これらの事業は、参加できる企業が限られており、随意契約や形だけの競争入札が行われることも多いです。そのため、企業としての信頼性や役所・政治家に対する良い印象を保つことが最優先事項となります。 松本人志さんに影響を与えた人物たちは、この組織の最優先事項を考慮し、説得を試みたのではないでしょうか。そして、松本人志さん自身も組織における重要な立場にいる以上、最終的にはその説得を受け入れたと考えられます。組織人としての責任感が、今回の早期解決に至る決定を後押ししたのではないかと思われます。 ーー「取り下げ」の意味について教えてください。松本氏は「完敗」だったと言うことでしょうか。 野澤隆弁護士 民事訴訟法の条文にある『訴えの取り下げ(261条)』と『請求の放棄(266条)』の違いについては、クライアントからよく質問されます。どちらも裁判が実質的に終わることに変わりはありませんが、大きな違いは、前者では被告(この場合、週刊文春側)の同意が必要であるのに対し、後者では同意が不要という点です。
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