1000Nmの恐るべき最大トルク! 新型ベントレー・コンチネンタルGTをマガリガワクラブでテストした!!
野生が目覚める!
パワートレインが刷新された新型ベントレー・コンチネンタルGTにクローズド・コースで試乗した。エンジン編集部の荒井がリポートする。 【写真27枚】1000Nm! 3900万円の新しいベントレー・コンチネンタルGTの豪華な内装とエレガントなエクステリアは必見 ◆ベントレーらしさとは? 新型ベントレー・コンチネンタルGTの試乗会が千葉県にある会員制のクローズド・コース「マガリガワクラブ」で開催された。第4世代となる新型コンチネンタルGTのハイライトはパワートレインの刷新である。先代にあったW12エンジンは姿を消し、新開発のV8エンジンにプラグイン・ハイブリッド・システムを組み合わせたモデルとなった。 試乗前のプレゼンテーションでは英国からやってきたコンチネンタルGTとフライングスパーのプロジェクト・リーダー、ダレン・パービンさんが「単に環境問題だけでなく、パフォーマンス、快適性などあらゆる面で先代より洗練されている。いままで私が作ってきたなかで最高の作品です」と熱く語る。 さて、新型コンチネンタルGTの新しいパワートレインは新型ポルシェ・パナメーラの高性能モデル、SEハイブリッドと基本的に同じだ。最高出力、最大トルク、バッテリー容量などのスペックも同じである。 「ハードウェアの開発はポルシェのエンジニアと共同で行った。ただし、ソフトウェアは独自にチューニングしている。ベントレーとポルシェでは求めるものが違うからね」とパービンさんは説明した。 ではポルシェとは違うベントレーらしさとは何なのか? その質問を飲み込んだのは試乗して自分で考えようと思ったからだ。 ピットレーンに並ぶ新型コンチネンタルGT、フォルムは先代を継承している。ただし顔つきは大きく変わった。丸目4灯だったヘッドライトは眉毛のようなポジション・ライトを備えた2灯に変更されている。パービンさんは虎の目のような精悍な表情になったと説明する。 インパネ中央がくるりと回転して3連メーターが出てくる「ベントレー・ローテーション・ディスプレイ」を含め、内装の意匠は先代を踏襲している。それにしてもエレガントでゴージャスな室内だ。クルーの職人たちの技は素晴らしい。 ◆シルバーのクーペ 試乗はインストラクターが先導する車両に連なって走るカルガモ走行である。私は先導車に続く1号車、シルバーのクーペだ。 ドライビング・モードを「ベントレー」でスタートする。デフォルトはEV走行である。静かなことはもちろん、平滑な路面のおかげもあって、超スムーズにコースを進んでいく。アップ&ダウンと曲率の深いカーブが続くコースにおいて最初に感心したのはボディのしっかり感と素晴らしいハンドリングだ。資料によれば先代のコンポーネントの68%を一新、新たにツイン・バルブダンパーを採用するなど足回りも刷新したという。また、バッテリーを後方に配置することで前後重量配分49:51を実現したことも素晴らしいハンドリングに貢献しているようだ。 2周目に入りドライビング・モードを「スポーツ」にして4リッターV8ツインターボを目覚めさせる。システム最大トルクはなんと1000Nm! 強烈なパワーは8段DCTとエレクトリックLSDを介して4輪に伝えられ、2.5トン近くもある車体を豪快に加速させる。0-100km/h加速は3.2秒! コーナーの手前で減速した先導車がどんどん大きくなる。ボディが重いというイメージがあるので、ちょっとドキドキしたがコンポジット・ブレーキが素晴らしい。とても扱いやすく、安定した姿勢を保ちながらコーナーに入っていくことができた。 先導車に続く私がカルガモ走行の隊列を乱したらどうしようとスタート前には思っていたが、新型コンチネンタルGTの素晴らしいパフォーマンスのおかげできちんとトレースすることが出来た。なんだ、オレって運転まだまだ上手いじゃん! とほくそ笑む65歳である。 さて、ポルシェ・パナメーラとは違うベントレーらしさとは? わずか3周の試乗で感じたのは、EVモードではマリナーが手掛けた内装に囲まれとてもジェントルな気分に包まれるのに、V8に火がつくとイッキに自分の野生が目覚めるということだった。英国車はもともとそういう2面性を持っているが、新型ベントレー・コンチネンタルGTはそれが強くなった気がした。 文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正 ■ベントレー・コンチネンタルGTスピード 駆動方式 エンジン縦置き4輪駆動 全長×全幅×全高 4895×1966×1397mm ホイールベース 2851mm 車両重量 2459kg エンジン V型8気筒DOHCツインターボ+モーター 排気量 3996cc 最高出力 600ps/6000rpm 最大トルク 800Nm/2000~4500rpm モーター最高出力 190ps モーター最大トルク 450Nm 変速機 デュアルクラッチ式8段自動MT サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/エア サスペンション 後 マルチリンク/エア ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク タイヤ 前 後 275/35ZR22 315/30ZR22 車両本体価格 3930万3000円 (ENGINE2024年12月号)
ENGINE編集部
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