かつては散髪のため韓国へ渡っていた?「対馬」の少し不思議なヒストリー伝統とモダンが交差する活気溢れる島へ
対韓国とのボーダーツーリズムも計画中?
歴史ある産業がある一方で、新たな風を吹き込むお店も。川端通りで見つけた「YELLOW BASE COFFEE」は、対馬出身のご主人と福岡出身の奥様の熊本さんご夫妻が切り盛りするカフェ。美味しいコーヒーが評判となって、島の人にとってもツーリストにとっても、憩いの場になっています。 実は、hotel jinの桑田さんとYELLOW BASE COFFEEの熊本さんは、幼なじみだとか。二人にはかつて東京や大阪で過ごした時期もあったけれど、対馬に戻ってビジネスを始めたという共通点があります。 「対馬はかつて海外との交流・交易で栄え、10万石を誇った城下町。中央の朝廷と諸外国との関係のバランスをとってきました。令和の今、そんな歴史を持ち、これだけ外国に近い日本、面白くないですか?」と桑田さん。 ちなみに島にトンネルがなかった頃、島北部の人は南部の厳原へ行くのに4~5時間かかったとか。そのため髪を切るにも韓国へ行っていたそう。そんな近い外国・韓国の旅を絡めたボーダーツーリズムも思案中だとか。 「おこがましいかもしれないけれど、島の子供たちが対馬でワクワクして、ここでもちゃんと稼げると思えるようになるには、自分たちの世代ががんばらないと」と熊本さん。 対馬、これから何かが起こる予感がします。それにしても、いろんな人と偶然からつながった対馬の旅。だから旅は面白いのかもしれません。 対馬 ●アクセス 空路は長崎空港または福岡空港から約35分。海路は博多港(福岡)からフェリーで約4時間40分~5時間、高速船は約2時間15分 取材協力 対馬観光物産協会 ORCオリエンタルエアブリッジ おすすめステイ先 hotel jin 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●Instagram
古関 千恵子