米大統領選、ついにカウントダウン…やや優勢のトランプと支持者に「反トランプ」アーティストの歌声は届くのか?
「天下分け目の」ペンシルバニア州をどちらが取るか
トランプ嫌いで知られるスプリングスティーンは、2020年の選挙では冗談で、トランプが勝ったらオーストラリアにでも脱出しようか、と言った。2020年は脱出しないで済んだが、さて、今回はどうだろう。米大統領選挙の投票日が11月5日に迫った。 既報の通り(参考記事:【米大統領選】トランプ以外の候補者もクセが強い…「田舎出身エリート」「生意気なガキ」「庶民派のおっちゃん」が集結!)、選挙の核心は、全国的な得票数ではなく、共和党の「赤」にも民主党の「青」にも決めかねているスイング・ステート(揺れる州)と呼ばれる激戦7州での票の行方だ。 具体的には、米国地図で北側にある「ラストベルト(さびれた工業地帯)」に属する東部ペンシルバニア(選挙人数19)、中西部ミシガン(15)、ウィスコンシン(10)の3州、それに南側にある「サンベルト(温暖地帯)」に属する西部アリゾナ (11)、ネバダ (6)、南部ジョージア(16)、ノースカロライナ (16)の4州だ。 大統領選に勝つには、全米538の選挙人の過半である270票を獲得しなければならない。上記7州を除いたところでは、よほどの番狂わせがない限り、ハリス氏225票、トランプ219票の得票は固いと見られており、残りの94票を争うことになる。 特に選挙人の数が19と大きいペンシルバニアは、「天下分け目の決戦」になる可能性が高い激戦州として注目される。 ハリス氏がペンシルバニア州を落とした場合には、伝統的に共和党色の強いノースカロライナ州かジョージア州のどちらかを獲得しなければ巻き返せず、反対にトランプ氏がペンシルバニア州で負けた場合には、民主党色の強いウィスコンシンかミシガンで票を覆す必要が出てくる。 ここで、お気づきかもしれないが、この7州あわせて93票で、94票に一票足りない。 実は「激戦州」はもう一つあって、それは中西部ネブラスカ州。全米50州のうち、殆どの州では勝った候補者が選挙人を総取りするのだが、例外がメイン州(4) とネブラスカ州(5)で、これらの州では各選挙区ごとに勝者に選挙人を割り当てる方式を採用している。ネブラスカ州は基本的に共和党支持の「赤い州」だが、都市部のオマハのある選挙区の1票はハリス氏が獲得する可能性がある。 激戦7州の票の出方によっては歴史的な大接戦となり、ネブラスカのこの選挙区の一票が、勝敗を決めることになるかもしれないと見られているのだ。