バルサ開幕4連勝&バルサBで16歳のスター候補誕生 新指揮官のもと伝統の下部組織出身者が躍動
【ペドリが語るフリック体制での変化】 「バルサの新たな"脅威"」 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、ラ・マシア勢の台頭に期待感を込めて伝えている。トップチームでラ・マシア出身者が華々しい活躍を示すことによって、育成年代も含めて熱気を帯びつつあるのだ(ちなみにフリックはプレシーズンのアメリカ遠征にこのふたりを帯同させ、トニは背番号42でチャンピオンズリーグのメンバーにも登録)。 フリックは、有力選手の獲得を熱望したシャビの轍(てつ)を踏んでいない。楽観的にラ・マシアを捉え、次々に若手を抜擢。主力と混ぜて先発起用することで、力を引き出した。控え組に混ぜる、あるいは終盤の起用で実験的に......というのではなく、実力を信じての起用と言える。 「オートマチズム」 そもそも、それがバルサの強みだった。目も眩むようなパス交換は、育成年代からの鍛錬の賜物。ほとんど自動的に動き出し、パスを出し、それを連続することができる。その技術を極めたことで、相手の裏を取れた。つまり、チームの土台をラ・マシアに戻す必要があったのだ。 逆説的に言えば、外からバルサに入る難しさがあった。ゲオルゲ・ハジ、ロベルト・プロシネツキ、ファン・ロマン・リケルメ、アントワーヌ・グリーズマン、ジョアン・フェリックスのようなファンタジスタでさえ、不遇を囲っている。異分子を下手に混ぜ合わせると、オートマチズムが失われたのだ。 フリックは、ラ・マシアのつなぐサッカーを土台にした。そこに、ロングボールやサイドチェンジも多用したスタイルをアレンジ。これに若い選手たちが反応した。もともと同じ絵を描ける選手同士だからこそ、違和感もないのだろう。攻守一体のプレーで、守備の出足も早くなって、波状攻撃を仕掛けられるようになった。 「フィジカルトレーナーの仕事の成果が試合に出ていて、70、80分以降、体力が落ちなくなった」 ペドリは、フリック体制での変化をこう語っている。