三軒茶屋で築86年古民家を購入&DIY! スウェーデン人アントンさん、日本×北欧のジャパンディスタイルに大改造 東京都
「再建築不可の物件なので、建物の基礎を再利用するのですが、耐震性アップや躯体部分の補強のために、日本の大工さんの力を借りました。僕は日本の建築技術をリスペクトしているので、日本の大工さんとの共同作業は興味深く楽しいものでした。これからセルフリノベーションをする方には、基礎の部分にはプロの技術を活用することをアドバイスしたいと思います。 また僕の家は敷地延長、いわゆる旗竿地のため、荷物を運ぶには大きな道路につけた車まで、狭い私道を通って運ぶ必要があります。資材の搬入や廃材の搬出がとても大変でしたね。 また家財や廃材の廃棄にもお金がかかります。僕の場合は50万円程かかりました。リノベーションする際には、購入費用の他にもいろいろとコストがかかることは頭に入れておいた方がいいでしょう」 手間がかかってもアントンさんが築古住宅をリノベーションするのは、安さだけが理由ではなく、古い物件をリノベーションすることに面白さや意義を感じているから。 「象徴的な出来事なのですが、リノベーションの途中、屋根裏から金槌が出てきたんです。90年前にこの家を建てた職人が残したものです。家の歴史が込められた金槌には、とてもロマンがありますよね。この家をリノベーションする意義を感じて、胸が熱くなりました」 日本の古民家の特徴を残している2階のベッドルームは、前の家にあった引き戸やたんすがそのまま使われていたりと、歴史が感じられるしつらえです。”日本風”ではなく、本格的な日本のアンティークを継承しているところに、アントンさんならではのジャパンディ・スタイルがうかがえます。
セルフリノベーションだからこそ大事な、近所付き合い
工事にあたっては近所に、大なり小なり影響が出るもの。今後もその場所に住むことも考えあわせると、普通以上にトラブルに気を遣う必要がありそうです。 「このあたりは家が密集しているので、工事音を我慢してもらったり、搬入搬出の際に協力してもらったりする必要がありました」とアントンさんは振り返ります。 再建築不可の物件は、古くからの住宅が密に建て込んでいる地域にあることが多いので、ご近所付き合いも大切です。アントンさんはコミュニティを大事にすることが、リノベーションを成功させる鍵だと感じています。 「近所の人々とのコミュニケーションがうまくいくことで、必要な材料を手に入れたり、困ったときに助けを借りたりすることができました。住み続けていくなかでも、建築時に培った人間関係が役立っていますね」とアントンさんは語ります。
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