電気・ガス代は「酷暑乗り切り緊急支援」でいくら安くなる?「8~10月の見込み額」を、5人家族のわが家のケースで試算してみた
2024年8月から「酷暑乗り切り緊急支援」として電気・都市ガス料金の値引きが始まっています。これは2023年1月から2024年5月まで行われていた「電気・ガス価格激変緩和対策」に続く経済産業省の取り組みです。今回の支援では実際にどれだけ家計の負担を減らせるのでしょうか? 5人家族のわが家で試算してみます。 ▼節約のためにトイレを「3回に1回」だけ流すのは危険! 節約効果とデメリットを解説
「酷暑乗り切り緊急支援」で安くなる電気代・ガス代はいくら?
「酷暑乗り切り緊急支援」は、岸田内閣による家計支援の一環として行われます。年末までの消費者物価の押し下げ効果を狙ったもので、8~10月分に限り料金補助を行います。実際の値引き額は図1のとおりです。 図1
経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援 値引き額の計算式 電気の値引き額=使用量(キロワットアワー)×値引き単価(図1) ガスの値引き額=使用量(立方メートル)×値引き単価(図1)
5人家族の場合の値引き額と総額
わが家は両親と子ども3人(未就学児)の5人家族です。電気・ガスの見込み使用料をもとに3ヶ月の値引き額を試算しました。 【家屋の状況】 ・賃貸マンション3LDK ・4階建ての3階 【エアコン使用状況】 ・朝9時まで、午後5時以降は親子で在宅につきエアコン使用 ・就寝時に室温30度以上なら夜通しエアコン使用 【ガス使用状況(キッチン・風呂)】 ・毎日自炊。電気よりガス火での調理が多い ・夏季は浴槽に湯はりせずシャワーのみ使用 わが家のガス種はプロパンガス(LPガス)のため、都市ガスを利用する世帯よりガス使用量が少ないですが、料金は高いです。試算では、わが家のガス使用量を元に都市ガスの場合の値引き額を表しています。 参考までに、2024年7月の電気代請求額は8204円、ガス代請求額は3256円でした。 図表1 5人家族の見込み値引き額
見込み使用料をもとに筆者作成
経済産業省の発表との相違
経済産業省は「標準的な使用量の家庭であれば、電気代が月約1600円、都市ガス代が月約525円、合計で2125円程度の負担軽減となる」としています。わが家は8月が835円の負担軽減となり、その差は月1290円です。 経済産業省の想定金額から逆算すると、電気使用量400キロワットアワー、ガス使用量30立方メートルとなりますが、どちらもわが家よりだいぶ多くなる計算です。考えられる理由としては、一般的に一軒家のほうがマンション・アパートより水道光熱費が高いこと、都市ガスの利用重量はプロパンガスより多いことなどが挙げられます。