性的音声を無断で公開、「マニュアル」を販売し、海外遠征まで…!被害女性たちが告発、悪質ナンパ師「スタナン一家」「低身長ナンパ師ゆってぃ」の「ひどすぎる手口」
巧妙化する手口
なぜ女性らは、こうしたナンパ師にだまされてしまうのか。スタナン一家のメンバーと交際していたBさんが語る。 「コミュニティでは、出会い系アプリに載せる自己紹介の書き方から、写真の撮り方まで、“女性受け"するプロフィールの作成を支援しています。私の元交際相手もプロフィールを見ると、とても誠実そうに見えました。出会ってからも、『女性軽視するような男は許せない』と話していて、大切にしてくれるように見えたんです。だけど、それは本心ではなく、女性を信用させるためにそう言うように教わっていたことだったとわかりました」 スタナン一家の代表が配布している『浮気と不倫の教科書~バレない為の厳選ノウハウ15選~』には、「完全犯罪を行うつもりで、一切の証拠を残さない事」などの注意書きもされ、言葉巧みに女性をだます方法が記載されている。 上谷さくら弁護士は、こうしたナンパ師が出しているマニュアルが、近年、巧妙化していることに懸念を示す。 「ナンパの攻略本というのは昔から出ていますが、現在はいろいろな点で巧妙になっている。そういったコミュニティ内で、法律に抵触せずに女性をだます方法を研究していると思われる。ナンパ師にひどい目に遭った女の子たちは、どうしていいかわからず、泣き寝入りするケースも多いのではないだろうか」
「裁判で徹底的に争う予定です」
スタナン一家のメンバーと交際し、妊娠させられた後、音信不通になってしまったCさんは、男性への思いをこう語る。 「交際後に彼がスタナン一家の一員であることを知りました。グループ内では、私の画像や個人情報を勝手に共有していたこともわかりました。彼を追及すると、『これから一生かけて償っていくから別れたくない』と泣かれたため、関係の再構築を試みました。ところが、妊娠が発覚し、結婚を見据えて一緒に住もうと話していた矢先、彼から突然『別れよう』と言われ、音信不通になり、大きな精神的苦痛を受けています。慰謝料をもらうため裁判で徹底的に争う予定です」 さらに、こう続ける。 「ナンパが成功して一時の承認欲求を満たせたとしても、女性を傷つけるような悪いことを続けていれば、結局自分にすべて返ってくる。男性たちには、そんなコミュニティにいても、有益になることなんて何もないと早く気付いてほしいです」 今回、ゆってぃ氏およびスタナン一家の代表者に取材を申し込んだものの、双方とも返答はこなかった。 執拗なつきまといや不快な言葉による声掛け、リベンジポルノ、女性軽視思想を加速させるコミュニティ――。悪質なナンパ師が引き起こす問題は、すでに複数の被害者の心に大きな傷を残している。「男女関係のもつれ」の域を超えた、深刻な性加害につながりかねない行為として、「悪質ナンパ師問題」を厳しく注視していく必要がある。
泰 梨沙子