「資本主義に惑わされて生きてきた過去に見切りをつけて…」歌手・南こうせつが実践した「70歳からできる身仕舞い」
最後は人の役に立つ
前章にも登場したリポーターの菊田あや子さん(64歳)は、母親の最期を看取ったことを機に、人生の大掃除を意識した。 「母の介護で帰省したとき、実家がグチャグチャだったんです。母はもともと片付けができない人でしたが、年を取ってさらにできなくなっていた。そこで兄と私で、家の中をきれいにしたんです。物がないことで、母がつまずいて転ぶ危険性もなくなった。その体験から、私も家がグチャグチャなまま死んでいくのは恥ずかしいことであると思うようになりました。 それからは、自宅の片付けです。まず、外から新しく物を入れない。タダでもらえる割り箸やスプーン、包み紙などは基本的にもらわないし、もらってもすぐに処分する」 もちろん、まだ使えるものを捨てるのには抵抗がある。そういう場合は、不用品を国内外でリユースしている団体に寄付するのも一つの方法だ。菊田さんも実際に活用したという。 「私もまだ使える洋服や靴、マフラー、手袋などが山のようにありました。これをビニール袋に入れて捨てるのは、やはりちょっと忍びない。そこでリユースしてもらうことにしました。いろいろと調べましたが、一番無駄がないと感じたのが、NPO法人が運営する『セカンドライフ』への寄付です。 インターネットで申し込むと集荷伝票が届き、不用品を詰めたダンボールにそれを貼って送るだけ。大きいサイズで2900円、小さいサイズで2300円です。送った洋服や靴、食器などは国内外の被災地や必要としている家庭などで喜んで使ってもらえます」 物の減らし方は人それぞれ。自分に合った方法を見つけてほしい。 『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』が好評発売中! 累計188万部の大人気シリーズが、大幅リニューアルでさらにわかりやすくなりました! 週刊現代の大反響記事を、加筆のうえ、ギュッとまとめた一冊です。
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