花芽のできる前に剪定するべし! 花木の剪定、今ならまだ間に合います
花が咲かない、大きくなりすぎた、バランスが悪い......庭の花木やシンボルツリーでお困りのことはありませんか? プロの庭師さんは剪定することで花を咲かせ、木を美しく若々しく保ちます。高田宣人さんの作業現場を見てみると、日ごろの疑問やお悩みの答えが見つかりそうです。6月号・季節連載「庭師の剪定実況中継」より、一部抜粋してお届けします。
時期が大事! 花芽のできる前に剪定するべし!
――この連載では、現役の庭師である高田さんのお仕事に密着させていただきます! 今回はどんな剪定を行うのでしょうか。 今回は花を楽しんだあとの木を剪定していきます。剪定は時期がとても大切で、なかでも花木は時期を間違えると来年の花が咲かないんです。例えばツバキは、6月下旬ごろから翌年咲く花の芽の元(これを花芽といいます)がつくられます。剪定が遅いと、できた花芽を切り落として花が減ってしまうわけです。花芽のできる時期は樹種によりますが、基本は花を楽しんだらすぐに剪定するのがよいでしょう。 また、木の枝が伸びたとき、単純に枝先を途中で切り戻して、枝を短くしていませんか? そうではなく、枝のつけ根(分枝点)から切る「すかし剪定」を行うのがコツです。
――それで木はコンパクトになりますか? なりますよ。剪定は「切って終わり」ではなく、木はまた伸びますよね。枝を途中でパツンと切ってしまうと、切った枝先からは新たに何本も枝が伸びて樹姿が乱れます。すかし剪定であれば、新しい枝が出ても比較的自然な伸び方です。そうして枝葉が減って光や風が木の内側に入ると、枝が更新されて若々しいきれいな木になりますよ。
ツバキの剪定は、花後なるべく早めがよいですが、6月上旬ならまだ花芽が形成される前の可能性も。6月号で剪定の方法を詳しく紹介していますので、まだの方は急ぎましょう! 教えてくれた人/高田宣人(たかだ・のぶと) 庭師 50軒の個人邸から茶庭や公共施設まで、幅広く庭の管理・造園に携わる。庭師の団体「庭連」会員。全国の庭師と日本文化の庭を紡ぐ活動をしている。 ●『趣味の園芸』2024年6月号 季節連載「庭師の剪定実況中継 その1 初夏編/花後の剪定」より