【更年期の頻尿】「トイレがガマンできなくて、映画1本見られない!」49歳女性の症状をひどくさせていた、やりがちな「ある行動」とは?
「最近トイレが近い」という悩みはありませんか? 日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。 更年期にはからだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 更年期女性の悩みのひとつに「頻尿」があります。 今回は、頻尿の対策法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。 【 表 】更年期におすすめな11種類の漢方薬
大好きだった映画館が怖い…そのワケとは?
しおりさん(49歳)は、映画館での映画鑑賞が趣味。 「子どもが独立し、時間にもお金にも少し余裕ができたので、毎週水曜日のレディースデーに映画館に通うのが楽しみなんです」 映画館には3歳年上のお姉さんを誘うこともあるそう。 「でも、半年ほど前から急にトイレが近くなって……上映中に何度もトイレに行きたくなるので困っています」 映画館の座席に座ると、膀胱にどんどんおしっこがたまっていく感覚を想像してしまうというしおりさん。 「最後まで我慢しようとしても、クライマックスのいいところで必ずトイレに駆け込むことになってしまうんです」
不安で症状がひどくなる悪循環
あんなに好きだった映画館通いも、トイレが不安でできなくなったしおりさん。 「最近、映画に行ってないね、来週あたりどう?」 と誘ってきたお姉さんに事情を話したところ、 「私も更年期に入ったばかりの頃に頻尿に悩んでいたの」 と打ち明けられたそう。 「不安だから先にトイレに行っておくという習慣ができると、からだがそれを覚えてしまって膀胱に尿をためられなくなるらしいわよ」 とアドバイスされてしおりさんは驚きました。
頻尿は更年期症状のひとつ
日本泌尿器科学会によると、一般的に朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合が頻尿とされています。 頻尿は更年期障害の症状のひとつであり、外出や睡眠などの日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 1.更年期に頻尿になる原因 更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、膀胱を支える筋肉の衰えや粘膜の乾燥が生じ、頻尿になりやすくなります。 また、このホルモンバランスの変化が自律神経の乱れを引き起こし、膀胱が過度に収縮することも頻尿の原因と考えられています。 2.こまめにトイレに行くのは逆効果 不安だからと頻繁にトイレに行くことが習慣となると、膀胱に十分に尿がたまっていないのに排尿回数が増えてしまう状態となってしまいます。 トイレに行っても排尿量が少ないのであれば、尿意を感じてからトイレに行くように心がけましょう。 ▶この記事の【後編】では、更年期時期の「頻尿」の正しい対象方法などについてお届けします。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 清水みゆき