不可能を可能にする大谷翔平の次なる挑戦は三刀流解禁か?
◇史上初のDHでMVP受賞なるか? ぶっちゃけ、大谷翔平選手を取り上げる記事を書くことは大変です。 というのも、成し遂げることがあまりにもすごいので、思うがままに書いた文章を読み返すと「大谷選手に媚び過ぎていないか?」と思ってしまうことがしばしばあります。 実際、今年の1月に大谷選手の今季成績予想を綴らせていただきましたが、「55ホームランを放つでしょう」と大胆な予想をしてみたところ、コメントでは「さすがにやり過ぎ」とのご意見もいただきました。 そんな大胆予想が、まさかの(ほぼ)的中されたどころか、「史上初の50-50達成」という期待・予想のさらに上を行った大谷選手(そして55-55もホームラン1本でニアミス……)。予想を書いている本人が若干懐疑的であったことをお詫び申し上げます。 そもそも、NPBでの二刀流始動から始まり、世界最高峰のリーグ・MLBにおいてもハイレベルで実現。さらには投手と打撃を同試合でおこなう「リアル二刀流」解禁、投手および打者としてのダブル規定到達、そのなかで2度のMVP受賞、常に世間を驚かせ続けてきました。 今年は投手としては全休が確定しており、打者に専念をする年として「打者一本でどこまで行けるか」と注目をされていましたが、ある種、天井に設定されていたのは「史上初のDH MVP」。 これに最も近かったのは2005年のデビッド・オルティス選手(レッドソックス)。159試合で打率.300、47ホームラン、148打点、OPS 1.001という飛び抜けた成績を残したものの、MLB投票では2位に終わってしまいました。 しかし、その年にMVPを受賞したアレックス・ロドリゲス選手(ヤンキース)は、それをも上回る成績を残しており、162試合フル出場で打率.321、48ホームラン、130打点、OPS 1.031という打撃に加え、ゴールドグラブ級のサード守備を魅せました。 選手の総合貢献を表す指標Wins Above Replacement(WAR)では、オルティス選手が5.2 rWAR / 5.3 fWARを計上するも、ロドリゲス選手は9.4 rWAR / 9.1 fWARと大差をつけております(※rWAR: Baseball Reference社計測WAR、fWAR: Fangraphs社計測WAR)。 DHは守備貢献がないので、バリューを出すためにそれだけ高い打撃成績が求められる、という難しさがよくわかる事例ではないでしょうか。 そんな大谷選手の2024年シーズンWARは、9.2 rWAR/ 9.1 fWAR。ナ・リーグの2位と 1.5 ~2WARをつけてリーグ首位の数値を記録しています。 そして打撃成績のみならず、MLB史上初の50-50達成、イチロー選手の日本人盗塁記録56を上回る59と、走塁面でも圧倒的な記録を残してしまいました。「さすがに難しいでしょう」をまたもや超えてしました。本当にとんでもない。