“伝家の宝刀”フォークボールはビール瓶で鍛えた!? “元祖ハマのエース” 遠藤一彦氏が明かす三振の山を築いた決め球の秘密 憧れの長嶋氏にかけられた驚きの言葉とは
サイドスロー転向指令から守ってくれた恩人コーチ
ホエールズに入団した遠藤氏は、すぐに別当監督からサイドスローに変えるように指示されたという。 遠藤: キャンプのときに言われました。「お前、手首の使い方が下手だから横のほうがいい。横だとスナップを使うような感じになるから」みたいな説明を受けた記憶があります。「ファームで練習してこい」って。 徳光: 実際に練習したんですか。 遠藤: ちょっとしてましたね。 遠藤: そしたら、堀本(律雄)コーチが「何やってるんだ」って言うから、「こうで、こうで、こうなんで、横で放ってます」。「いやいやいや、お前は上からじゃないとダメなピッチャーだから上から放っとけ。別当さんには『横で放ってる、練習してる』って伝えておくから」って。堀本さんは恩人ですね。 遠藤氏のプロ初登板は1年目の8月15日、横浜スタジアムでの中日戦だった。5回途中から救援して1回3分の1を無失点に抑えた。 徳光: 早い初登板ですよね。 遠藤: それなりに順調にきたんじゃないかなとは思います。 ただ、別当さんには、上から放ってもひと言も言われなかったですね。多分、忘れてたんでしょうね(笑)。 徳光: そういう人なんだ(笑)。
フォーク誕生の秘訣は主砲のひと言から
徳光: 平松(政次)さんからの影響はありますか。 遠藤: 何もないです、僕はしゃべれなかったですから。 徳光: それほどまでに“天上人”。 遠藤: 私からするともう、神様みたいな存在の人ですから。 徳光: 当時の大洋の主砲は松原誠さん。 遠藤: 貫禄がありました。長嶋さんとは違う雰囲気を持ってましたね。 ある日、松原さんがホームランを打ってベンチに帰ってきたときに、「おめでとうございます」って手を出して握手したら、「お前、握力ないな」って言われたんです。それがフォークボールを投げられる秘訣になりました。 徳光: どういうことですか。 遠藤: それから必死に握力を強化しましたから。
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