85歳の脳科学者が断言、「勉強ができる子」「勉強ができない子」の”親の共通点”がわかった…!
「潜在能力」と聞くと、どんなイメージを抱くだろうか。きっと「表に出ていない、内に秘めた才能」のようなものだと考えている人が大半だろう。 【写真】追い詰められた女性が「メンズエステ」の世界で味わった壮絶体験 しかし、潜在能力とはそんなに簡単なものではないと語るのは、数々のアスリートを育成してきたスポーツ脳科学者の林成之氏。氏によれば、潜在能力は、一定の考え方と行動を伴うことによって、いつでも発揮できるものであり、それを十全に発揮すれば、想像していなかったレベルの成果が得られることもあるという。 そんな林氏はこのほど『運を強くする潜在能力の鍛え方』を刊行し、さっそく話題になっている。そのヒット作を作るに至った経緯から、本書に記された貴重な内容を、担当編集者が教えてくれた。
2040年に来るイノベーション時代
「潜在能力と運に関する原稿を書いてみたので、もし興味があったら一度、家に来てほしい」。多くの一流アスリートの指導などを行ってこられたスポーツ脳科学者・林成之氏からそんな連絡をいただいたのは、今年1月のことだった。 そこで手にした原稿は、これまで抱いていた潜在能力というものへの認識を根底から覆すものだった。潜在能力はある特定の人に備わったり、いざという時にしか出せないものなどではなく、ある条件さえクリアできれば、いつでも誰でも桁違いの能力を発揮できるようになるというのである。「たぶん僕が死ぬ前に出す最後の本になると思います」という85歳の林氏の言葉を、預かった原稿とともに重く受け止めた。 そしてこのたび刊行された『運を強くする潜在能力の鍛え方』では、潜在能力というものをいかにして鍛え、引き出せばよいかが記されているが、もう一つ力を込めて綴られているのが、「育脳」に関する章である。林氏は、2040年にイノベーション時代が来るという持論のもと、来たるべき時代に備え、潜在能力の高い、運の良い子を育てていく必要があると次のように力説している。
乳児期の子育てのポイント
2040年にはイノベーション時代が来ると私は考えています。その頃には共稼ぎの夫婦は今以上に増え、乳幼児を預かる施設のニーズが増してくるでしょう。一方で少子化が進み、幼稚園児や低学年の子どもの数が減ってきます。 そんなイノベーション時代に備えるために、頭も性格もよく、AIを使いこなし、新しい発想のできる運の強い子を育てなくてはいけません。要するに、潜在能力の高い子が求められるのです。イノベーションの時代には、周囲の人たちから愛される子が勝つのです。 ただし、頭がいいと言っても優等生を育てればいいというのではありません。集中力があって、問題解決の方法を自分で考えることができて、考えたことを積極的に実践できるような子でなくてはいけません。しかも、みんなから愛されるためには、こころの豊かな子に育てる必要があります。 最近はお金さえ出せば子どもが育つと考えている親や指導者も多いようです。そんな単純な発想で子どもが本当に育つのだろうかと心配になります。確実に言えることは、早期に音読教育を導入し、一刻も早く子育てや育脳の改革をしなくてはいけないということです。 乳幼児期はどうしても母親が子育ての主役になります。母親の機嫌が悪くなるだけで子どもの夜泣きが始まるほど、子どもと母親は一体です。しかし、子育てをすべてお任せしてもいいと思えるお母さんは、果たしてどれくらいいるでしょうか。 私は、約10年前から、脳科学について関心を抱くお母さんの会「いいママの会」を立ち上げて、脳科学の面から子育てを指導するボランティア活動を細々と行ってきました。脳科学の観点から言うと、乳児期の子育ては、母親が子どもの夜泣きをどれだけ我慢して素晴らしい対応ができるかにかかっています。この時期を乗り越えて幼児期に入ると、純粋な子どもは正論であればどんな要求でも達成しようと努力を惜しまなくなります。