85歳の脳科学者が断言、「勉強ができる子」「勉強ができない子」の”親の共通点”がわかった…!
勉強ができない子の共通点
●親子の時間を手抜きしない 子どもの潜在能力を伸ばすには親の力が欠かせません。だから、親子で一緒にいる時間はチャンスです。無駄にしないでください。 これについて私が推奨しているのは、親子で一緒に勉強することです。算数とか漢字のテストを毎日親が作って、子どもにやらせて、間違ったらその場で指摘して、どこが難しいかを直接教えてあげるのです。人の作った問題を子どもにやらせて、親は向こうでケーキを食べているというのはだめです。 親自身が問題を作ると、子どもがどこを間違うかがわかります。だから、その場で直すことができます。後で直すのはだめです。すぐに直す。先に挙げた「「2秒の法則」です。これをしっかり習慣づけると、子どもはみんな優等生になります。 親も手抜きをしてはいけません。問題も自分で作ってください。そう言ったら「えっ?」と驚いた親がいます。自分の子どもの脳をしっかり育てるためですから、そんなことで驚いている場合ではありません。子どもに全力投球しなくても平気な親の姿勢を見せるのは、子どもの手抜きを容認しているということです。それで子どもにだけ良くなってもらいたいというのは虫が良すぎます。 どこが難しいかも、親が直接教えてあげるのが一番いいのです。自分で問題を作ると、どういう問題が大切なのかが親もだんだんわかってきます。だから、次第にいい問題が作れるようになってきます。そんな親の成長とともに、子どもも立派になっていくのです。 前に子どもの勉強を見に来てほしいと言われて見に行ったことがあります。ところが、時間になっても子どもが帰ってきません。子どもは頭がいいので、「今日は林先生が来ていて、帰ったらとっちめられるから」と、どこかで時間稼ぎをやっていたようです。 その後、ようやく帰ってきた子どもに、私は「勉強は好き?」と聞きました。当たり前のように「嫌い」と答えるので、「なんで?」と聞くと、「自分は大工の棟梁の息子だから勉強しなくてもいいって親が言っている」というのです。そんなところから彼との勉強が始まりました。 私はまず、「君、名前を書いてごらん」と言って書かせてみました。彼はちゃんとした字で書きました。それを見て、「君、すごく立派な字を書くね。さぞかし腕がいいんだろうね」と褒めると、子どもは調子に乗ってきて、「あれができる、これも得意」と自慢を始めました。そこで「君、目の前のあれはなんだ? あれは遊びの本じゃないか。今はいらないよね。どこか見えないところに持ってこうか」「そこにもあるじゃないか」と指さして、机の上を片づけさせました。勉強ができない子というのは、遊びの道具をみんな机の上に置いてあるのです。 机の上が綺麗になると、子どもは途端に集中して勉強に没頭し始めました。親は驚いて「あんなに勉強するのを見たことがない」と言っていました。そうやって一緒に勉強をしたら、子どもが最後に「先生、僕、勉強します!」と言いました。 つまり、その子が勉強嫌いだというのは、親が遊びの環境ばかり整えて、勉強の環境を整えていなかったからなのです。子どもを見ていると、親にも学ぶことがたくさんあります。 * * 林氏は「子どもも大人も、基本的に脳のつくりは変わらない」と言う。40年に及ぶ脳研究を行ってきた脳科学者の言葉に、真摯に耳を傾けたい。
小森 俊司(致知出版社書籍編集者)