季節の素材とひらめきが生む、料理のようなドーナツ「RONMADOR」
【連載】京都ゆるり休日さんぽ
ドーナツ=甘いもの、だけではありません。こんがり揚がった小麦色の輪っかを彩るのは、野菜やベシャメルソース、スモークフィッシュ、もちろんフルーツやクリームも。今回訪ねたのは、前菜やデザートの一皿のようなドーナツを提案するドーナツショップ「RONMADOR(ロンマドール)」。新感覚のドーナツには、料理人の感性と遊び心が詰まっていました。 【画像】ドーナツのビジュアルにも注目(8枚) ■京都から毎月、季節の便りを出すように。連載「京都ゆるり休日さんぽ」では、いま訪ねたい今昔の人気店、季節の味覚や風景を、さんぽのみやげ話とともにお届けします。
フレンチのソースや旬の素材をドーナツに
ドーナツホールが見えなくなるほど、色とりどりの素材がトッピングされたドーナツ。メニューボードを眺めても、季節の野菜や魚介を取り入れた「料理のような」ドーナツのラインアップに驚きます。この新スタイルのドーナツを提案するのは、以前同じ場所でフレンチ&スパニッシュのレストランとして営業していた「BARMANE(バルマーネ)」の奥田匡章(まさあき)シェフ。現在「BARMANE」はイベントやケータリングの活動にシフトし、よりカジュアルにシェフの料理を味わっていただくスタイルとして、仲間内で挙がったアイデアが「ドーナツ」でした。 「RONMADOR」を営むのは、匡章さんとパートナーの修代(ひさよ)さん、そして奥田夫妻の長年の友人であるひろみさんの3人。以前から匡章さんの作る料理のファンだったというひろみさんですが、ある時プライベートで作ってくれた匡章さんのドーナツを食べ「脳が覚醒するようなおいしさ」だったと話します。その体験が、3人で始める新しい店のインスピレーションになりました。 ベースとなるドーナツ生地は、古代小麦のオールドファッション、米粉のグルテンフリーオールドファッション、古代小麦の天然酵母パンドーナツの3種類で、それぞれに旬の素材を使った食事系、スイーツ系のフレーバーが展開されます。フムス(ひよこ豆のペースト)やベシャメルソース、旬の野菜のコロッケにスモークフィッシュ…。ドーナツにのる一つひとつの要素が、フレンチのソースや前菜のような本格派。季節を取り入れ、オーガニックや体への負担が軽い素材を使うことも、レストランの料理と同様に大切にしています。