株式投資の“楽しみ”のひとつだが…「株主優待」を重視した銘柄選びの注意点【杉原杏璃が解説】
株式投資をする目的やメリットがわからないという投資初心者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。投資家である杉原杏璃氏の著書『マンガでよくわかる資産運用1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』(かんき出版)より、会社の経営に参画することと経済的メリットを享受できることについて詳しくみていきましょう。
株式に投資するってどういうこと?
株式に投資する目的は、2つあります。 それは会社の経営に参画することと、経済的メリットを享受することです。 会社の最高意思決定機関は「株主総会」です。株式に投資して株主になると、株主総会に参加する権利が得られます。 これは10万株を持っている大口の投資家も、100株の最小単位しか保有していない投資家も同じです。取締役決議を覆すためには、物凄い株数を持たなければなりませんが、100株しか持っていなくても、株主総会で発言する権利は得られます。その意味で、保有している株数に関係なく、投資先である会社の経営に参画する権利が得られるのです。 次に経済的メリットですが、株主になるとその会社が得た利益の一部を「利益配当金」という形で受け取る権利が得られます。 利益配当金とは、会社が1年間の事業を行った結果として得た収益から、法人税を含む、さまざまな経費を差し引いた残りの利益である「純利益」の一部を、株主に分配するものです。 つまり株主は、会社が事業を行うことによって得た利益の一部を受け取る権利があるのです。この利益配当金のことを、「インカムゲイン」とも言います。 また、「キャピタルゲイン」という言葉があります。 これは株価の値上がり益のことです。 株式は証券取引所に上場され、そこで不特定多数の投資家によって売買されます。 その売買時に適用される価格が株価です。株価は常に値上がり・値下がりを繰り返しています。そのため、ある会社の株式を買った後、その会社の人気が高まって株価が上昇することがあります。この値上がり益がキャピタルゲインです。 株式投資によって得られる経済的メリットのうち、利益配当金はその会社の利益から支払われますが、値上がり益は市場参加者の期待感を反映したものです。 市場での期待感が膨らむと、株価は大きく値上がりします。そのため、株価の値上がり益は、利益配当金に比べてはるかに大きくなる可能性がある一方で、期待外れになると売りが押し寄せ、大きく値下がりするリスクも併せ持っています。 とはいえ、株価が10倍に値上がりする可能性も十分にあるため、多くの株式投資家は、この値上がり益を求めて日々、銘柄を探しているのも事実です。