スノーボード女子ビッグエアで世界を驚かせた日本“女子最年少”銅メダリスト村瀬心椛と岩渕麗楽が挑んだ超大技
北京五輪のスノーボード女子ビッグエア決勝が15日、ビッグエア首鋼で行われ、村瀬心椛(ムラサキスポーツ)が銅メダルを獲得した。17歳3ヶ月でのメダル獲得は、冬季五輪においては日本女子最年少。また、女子スノーボードではハーフパイプの冨田せな(22、アルビレックス新潟)の銅メダルに続いて2つ目のメダルとなった。金メダルは決勝3本目にキャブ(スウィッチフロントサイド)ダブルコーク1260(斜め軸で縦2回転、横3回転半)を決めるなどしたアンナ・ガッサー(30、オーストリア)。2位はスロープスタイルで金メダルを獲得したゾイ・サドフスキシノット(20、ニュージーランド)。岩渕麗楽(20、バートン)は前回の平昌五輪に続いて4位。鬼塚雅(23、星野リゾート)は11位だった。
11位の鬼塚雅も大技「キャブダブルコーク1260」に挑戦
女子ビッグエアは、メダルの色の争いだけでなく、選手らが次々と限界に挑む見応えのある展開となり、その中で日本の3選手、村瀬心椛、岩渕麗楽、鬼塚雅も紙一重の戦いに挑み、その存在をアピールした。 基本的にはスロープスタイルと同じメンバーで行われた女子ビッグエア。スロープスタイルではサドフスキシノットが圧勝し、ビッグエアも2本目までは彼女がリードしたが、平昌五輪でこの種目を制したガッサーが、3本目にキャブダブルコーク1260をメイク。女子では2019年に初めて自身が飛んだ大技でサドフスキシノットをかわした。 もっとも、1本目からこのキャブダブルコーク1260に果敢に挑んだのは、昨年のXゲームで同技を決めて銀メダルを獲得した鬼塚雅だった。 ビッグエアは3本滑り、そのうちベスト2本の合計で順位が決まる。1本目はある程度無難にまとめ、2、3本目で勝負をかけるというのが、多くのライダーに共通した戦い方だったが、鬼塚はいきなり、もっとも難度の高い技を選択したのである。 「メダル獲るには必要かなと思っていたので」 しかし1本目は派手にクラッシュし、顔面から流血。2本目も着地が乱れ、得点が伸びない。その時点でメダルの可能性はなくなったが、鬼塚の言葉は、奇しくもガッサーが最後にキャブダブルコーク1260を決めて金メダルを獲得したことで証明された。 もしも2本目、鬼塚がきれいに立っていたら…というのはタラレバになってしまうが、守りにいくのではなく最後まで攻めた鬼塚に悔いはなかった。 「ずっと練習してきたキャブダブルトゥエルブを着地できなかったことは残念なんですけど、このオリンピックでちゃんと挑戦することができて幸せです」