生活保護受給者は指定病院の医療費が無料? 指定病院以外で受診したときの費用はどうなるの?
生活保護受給者は治療費がタダと聞いたことがあるかもしれませんが、これは指定医療機関を受診した場合に限ります。 指定医療機関以外を受診した際の医療費は、全額自己負担となるため、注意が必要です。 本記事では、生活保護受給者が指定医療機関以外を受診した場合の医療費についてと、生活保護の医療扶助支給対象外になるケースについてもご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
指定医療機関なら医療費は無料だが指定病院以外では全額自己負担
生活保護を受けている方は、指定医療機関であれば無料で診療を受けられますが、指定医療機関以外での医療費は全額自己負担です。 指定医療機関とは、生活保護受給者の診療を自治体から認められた医療機関の総称で、生活保護受給者が医療機関にかかるときは、指定医療機関を受診する必要があります。 生活保護制度では、困窮のため最低限度の生活を維持できない方が医療費を全額自己負担しなくてすむように、ほとんどの生活保護受給者の医療費を全額負担する医療扶助があります。 医療扶助は、医療費を現金で払い戻すことはせず、治療を直接受けられる現物支給が原則です。
生活保護制度における医療扶助
生活保護を受給すると受けられる扶助の1つに医療扶助があります。医療費のかからない指定医療機関での診療を受けるためには、医療扶助の申請が必要となります。東京都福祉保健局生活福祉部によると、手続きの流れは次の通りです。 ●生活保護受給者は福祉事務所に医療扶助の申請をする ●申請を受けた福祉事務所で要否意見書を発行する ●生活保護受給者は要否意見書を持って医療機関を受診する ●医療機関から渡された要否意見書を福祉事務所へ提出する ●福祉事務所から交付される生活保護受給者にかかわる医療券を基に、診療報酬明細書を作成・請求すると診療報酬が支払われる なお、厚生労働省によると医療扶助の範囲は次の通りとなります。 「診察」 「薬剤又は治療材料」 「医学的処置、手術及びそのほかの治療並びに施術」 「居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話そのほかの看護」 「病院又は診療所への入院 及びその療養に伴う世話そのほかの看護」 「移送の範囲内で実施」