元柔道金メダリストで総合格闘家の石井慧が今日異色のボクシングデビュー!「世界王者にはなれないが」日本ヘビー級王座戦に挑む但馬ミツロに控え目の挑戦状を叩きつける
「正直、ボクシングでは世界王者にはなれないと思っている。年(35歳)もあるししね。でもボクシングに挑戦することが人生の糧になるしいい経験になる」 ビッグマウスで知られる男が殊勝な態度を貫いたが、「この試合に勝たないと話にならないが」とした上で、今大会のメインで日本ヘビー級王座決定戦に挑む但馬に“やんわり”と挑戦状を叩きつけた。 「海外のロシアの団体で一回、ボクシングをやりたいという考えもあるが、日本で僕を但馬ミツル選手の踏み台に使ってみてはどうでしょうか」 対戦を熱望された但馬は「(石井がまだ)C級(ライセンス)だったり、いろんなことがあるが、やるならやるよ。それだけです」と、石井からの挑戦を受けて立った。 ただJBCは、競技の安全性を担保するため、過去にボクシング実績のない石井の国内での試合をまだ4回戦(C級)でしか認めておらず、もし但馬が、今回ヘビー級タイトルを獲得した場合には、石井との試合には、そのライセンスの許可問題が障害となる。 プロモーターの亀田興毅氏も「C級、B級、A級と(段階が)あるので、やるとしてももう少し先になる。ただ(今後)海外とかで(ボクシングで)活躍して強い選手と戦って(ライセンスが)上がるパターンもある。まず明日がどれだけの試合になるか。面白いカードになるのならマッチメークになっていく」と、まずボクシング挑戦の初戦の内容が大事だとの認識を示した。 今回、石井のボクシングデビューの相手に選ばれたのは、3年前にボクシングに挑戦したばかりの高山だ。石井に負けない巨漢で体重は100.5キロ。昨年11月のデビュー戦では、中野健太郎(ワールド日立)を左右フックで攻め、わずか54秒でKO勝利している。 この日の会見では、「ボクシング人生2戦目で大変なことになった。フェイスオフも、記者会見も初めて」と緊張していた。だが、エレベーターホールでバッタリと出くわした石井の紳士的な態度に接して落ち着いたようで。「ボクシングの魅力と最高の競技だということをリングで伝えたい」との意気込みを語った。 まだ高山もキャリアは浅いが、ボクシングテクニックは若干上か。ただパワーなら石井。いずれにしろKO決着必至の日本のリングではなかなかお目にかかれない注目のヘビー級戦となりそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)