元柔道金メダリストで総合格闘家の石井慧が今日異色のボクシングデビュー!「世界王者にはなれないが」日本ヘビー級王座戦に挑む但馬ミツロに控え目の挑戦状を叩きつける
北京五輪の柔道100キロ超級の金メダリストで総合格闘家として活躍している石井慧(35、クロアチア)が今日14日、エディオンアリーナ大阪で開催される亀田興毅氏プロデュースの大会「「3150FIGHT」のヘビー級4回戦でプロボクシングデビューを果たす。前日計量及び公式会見が13日、大阪市内のホテルで行われ、石井は110キロ、対戦相手の1勝(1KO)の高山秀峰(30、スパイダー根本)は100.5キロでクリア。JBCは国内ライセンスを持たない他分野の格闘家の公式戦を認めていないが、クロアチア国籍の石井はクロアチアでライセンスを取得し、クロアチア人のパスポートで入国し、外国人籍ボクサー「サトシ・イシイ」として異例の試合に挑む。石井は「世界王者にはなれない」というもののメインで韓国のヘビー級王者を相手に日本ヘビー級王座決定戦に臨む但馬ミツロ(27、KWORLD3)に「オレを踏み台に使ってみては?」と対戦を熱望した。石井のボクシングデビューに注目が集まる。
格闘界の”レジェンド”ミルコ・クロコップも後押し
まるで熊だ。初めてプロボクシングの公式試合に挑む石井は、髭を伸ばして前日計量に現れて腹筋が割れて見事にビルドアップされた肉体を披露した。110キロの体重は、まさにヘビー級の迫力。 「クロアチアのボクサーとして、勝利をクロアチアに持って帰るように頑張りたい」 公式会見では、そう静かに勝利宣言した。 JBCルールでは、国内ライセンスを持たない格闘家の公式戦を認めていない。元K-1王者の武居由樹(大橋)にように格闘家を引退して正式にJBCのプロテストを受験しなければライセンスを与えていないが、クロアチア国籍を有する石井は、クロアチアのボクシングライセンスを取得して、クロアチアのパスポートで入国し、外国人籍ボクサー「イシイ・サトシ」として、今回、現役の総合格闘家のまま国内の公式リングに上がれることになった。 この日、JBCは、石井のクロアチアのパスポートと入国スタンプを確認。「試合出場に問題はない」(成富毅事務局長)と最終的にGOサインも出た。 「オリンピックスポーツであるボクシングに挑戦したいと純粋に思った。それで今回、亀田(興毅)さんに話をしたら、チャンスをいただけるということで、ボクシング(の試合)に出ようと決めた。ミルコ(クロコップ)からも、サポートするということで、ボクシング試合を快く承認してもらった」 数年前からK-1やPRIDE、UFCなどで活躍したミルコ・クロコップ(クロアチア)のジムに所属する石井は、2014年に2度敗れた、その“レジェンド”に背中を押されて異例の挑戦を決断したという。 石井は、今年4月には、K-1の大会に出場しキックルールに挑戦して、実方宏介にパンチのコンビネーションでKO勝利。6月にはクロアチアでの総合格闘技大会FNCに参加してチャーリー・ミルナー(英国)を秒殺している。その後、ロシアのブーパズボクシングジムでロシア人コーチのもと約6週間のボクシングキャンプを「どっぷり」(石井)と行い、今回の試合に備えた。親交のある元WBA世界ヘビー級王者アレクサンデル・ポベトキン(ロシア)からはスパーリング相手を紹介してもらい本格的なスパーを積んできたという。