ポテトチップスを食べ続け、7歳で失明…人間の味覚を子供の頃から鈍らせる食品の正体
人間の味覚を鈍らせ、食べ過ぎや肥満を招きかねない――。そんな食品を知らずに食べ続けているとしたら? 【写真】快適な睡眠は「ふくらはぎ」が決める…! シリーズ120万部『ゼロトレ』著者の石村友見さんが、「体」と「心」と「つながり」という3つの観点からどうすれば健康で、幸せに生きていけるのかを世界最先端の科学的データと豊富なエピソード、実例を絡めて解説した『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
偏食で失明した少年
小学生の頃からフライドポテトやポテトチップスばかり食べていた英国の少年が、「17歳で失明した」という症例を英ブリストル医科大学の研究チームが発表し、世界に衝撃が走った。 彼が疲労感を訴えて初めて医師の診療を受けたのは14歳のとき。診察の結果、ビタミン不足と貧血の症状があることがわかり、医師はビタミンB12を投与して、偏った食生活を改善するようにアドバイスした。 しかしその後も、フライドポテトやポテトチップス、ハム、ソーセージなどの超加工食品(ultra-processed foods)以外は受け付けない体質になっていた少年の食生活は改善されることはなかった。1年後には聴覚障害や視覚障害の兆候が表れ始める。その後も視覚障害は悪化を続け、17歳でついに失明してしまった。 この症例について調べたブリストル医科大学とブリストル眼科病院の研究チームは、偏った食生活による極端な「ミネラル不足」が失明の原因になったと指摘している。 この症例報告に対して一部批判はあるものの、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのギャリー・フロスト教授は「幅広い多様な食事を摂ることの大切さが改めて示された」と指摘している。 ここで疑問が湧き起こる。 なぜ、少年はそこまでしてフライドポテトやポテトチップスだけを食べ続けたのか。 なぜ、彼の親はそれを止めることができなかったのか。
パッケージ食品会社の不都合な真実
私の住むニューヨークはウェルネスの世界最先端都市である一方、「アメリカ」という大きな単位で見てみると、そこは「ジャンクフード天国」。ジャンクとは「がらくた」という意味だ。 アメリカの成人の41・9%は肥満で、9・2%は「病的な肥満」だというデータがある。これは、1億人以上が肥満で、2200万人以上が重度の肥満であることを意味している。この背景には、パッケージ食品会社の不都合な真実がある。