奨学金=借金でしょ?〈実家が太い婚約者〉の母が難色…奨学金を借りられるだけ借りて「月1万5,000円」返済中の〈32歳男性〉の大いなる誤算「こんなはずでは」【CFPの助言】
現在日本では、経済的理由のために勉強する機会を失わないために、奨学金の制度が用意されています。奨学金を利用しながら進学する人も多くいます。現在奨学金を返済中の俊樹さん(32歳)もその中の1人です。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、奨学金を受ける際の注意点などについて解説します。 都道府県「大学進学率」ランキング…3位「神奈川」2位「京都」1位は7割超
奨学金とは
奨学金とは、経済的な理由で進学の機会を断念することのないように、学生本人がお金を借り、卒業後に返済していく制度です。奨学金には返済しなくても良い「給付型」と返済しなければならない「貸与型」があり、給付型は低所得世帯が該当します。もちろん貸与型も所得制限が設けられており、一定以上の所得がある世帯だと奨学金を受けられないケースもあります。 2024年から給付型奨学金の拡大も 給付型奨学金はこれまで所得に応じて3区分に分けられていましたが、2024年からは私立大学に進学する多子世帯や私立の理工農学系の学科に進学するケース(4区分)が設けられ、支援の幅が拡大されています。 大学独自の奨学金もある また、大学によっては独自の奨学金制度を導入しているところもありますので、希望する進学先に奨学金の制度がないか、また受けるための要件などについて確認しておきましょう。
貸与型第二種を利用して進学
ひとり親世帯で育った俊樹さんは、大学進学への希望を持っていました。しかし、希望する大学の学費などを考えるとお金の工面ができず、進学は諦めて働く方法も考えていたそうです。 高校3年生の4月に奨学金の説明会が学校で開催され、それに参加した俊樹さんは母親の恵美さん(43歳)に奨学金を利用して進学したいと相談しました。恵美さんはフルタイムで働いていたものの、大学進学にかかるお金について全額を賄える自信がなかったことから、貸与型の奨学金に申し込むことにしました。申し込みは高校を通して行われ、必要書類をそろえて提出し、無事に奨学生として採用されることになりました。 貸与型の奨学金は第一種と第二種に分けられ、第一種は無利子で借りられるものの第二種のほうが借りられる金額が多かったため、俊樹さんは第二種に申し込みました。 そのおかげで自宅外通学だったものの、仕送りを受けることなく大学を卒業できたのです。