福島第一原発の処理水放出から1年、禁輸措置続く中国で北海道のイクラにホタテ…“闇流通”のナゾ
■“密輸”のからくり…第三国経由で産地を偽装
中国の料理店などの証言から分かった、あの手この手で続く、日本の水産品の“密輸”。その裏には、規制をかいくぐる抜け道が存在していた。 今回、中国沿岸部の水産都市で、貿易や冷凍庫の管理を行う業者が、私たちの取材に応じた。「韓国や台湾などの第三国を経由させることで産地を替え、日本のホッキ貝や甘エビなどを仕入れて、冷凍庫に保管している。要望があれば、北京や上海などの都市部に配送する」と“密輸”のからくりを証言した。 また、水産品の販売員も「日本の魚は需要があり、密輸はある」「直接輸入も間接輸入も含め、今も日本から輸入できる」と口をそろえる。 根強い日本産水産物の人気とは裏腹に、今も処理水を「核汚染水」と非難し、禁輸措置を続ける構えの中国政府。23日の会見で「食品安全と人々の健康を守ることは、合理的で必要な措置だ」と従来の主張を繰り返した。 日本政府は即時撤回を求めて交渉を続けているが、出口はまだ見えていない。