インボイス制度「適正な課税確保のために必要」岸田首相会見10月28日(全文2)
規模ありきで財政悪化を懸念する声も出ているが
テレビ朝日:テレビ朝日の山本です。よろしくお願いします。今回、一般会計と特別会計、合わせて29.6兆円の大規模な対策となったわけですけども、額については当初の財務省の想定から、自民党の要求で一夜にしておよそ4兆円が積み上がりました。党内からは積み上げではなくて規模ありきで、財政の悪化を懸念する声も出ています。総理としては、この財政規律の観点で、今回の対策についてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。 岸田:従来から経済対策においては、内容も規模も大事だということを申し上げてきました。そして内容については、先ほどご説明をさせていただきましたエネルギー価格対策を中心に、さまざまな政策を用意いたしました。そして規模につきましても、昨年の経済対策は32兆円ほどであったと記憶していますが、わが国の置かれている状況、昨年は新型コロナ対策、給付金等が対策の半分以上を占めていた、こういった状況です。そして今年はウィズコロナということで、経済を再び動かしていく方向にさまざまな政策が進んでいく、こうした状況です。こうした違いが去年と今年はある。それと一方で、物価高騰の状況は、去年と比べて今年は大変厳しい状況にあります。また、来年の前半にかけて中国、米国、あるいは欧州の景気減速の懸念もある、こういった状況です。こうした状況の変化に対応して、中身も考えなければいけませんが、その額、規模についても慎重に考えなければならない。
下振れリスクにも備えなければならない
昨年の景気対策を議論していたときは、確かGDPギャップとの兼ね合いで金額を議論したと思いますが、その後、経済対策が施行される段階で経済が下振れして、GDPギャップが5兆円以上大きくなってしまった、こういった経験があります。今年も先ほど言いましたように去年とは事情が違うものの、さまざまな下振れリスクにも備えなければならない。こうした議論を行いました。 今年のGDPギャップは確か15兆円という数字が挙がっています。それに対して財務省等も一応対策の予算を積み上げたわけですが、やはり去年、経済対策をつくる段階から施行する段階で2割以上やっぱり下振れをしたという経験があります。今年はどうなるか、これはなかなか予断を持って申し上げることは難しいですが、少なくとも去年の下振れリスクに対応できるだけの金額はしっかり用意しておかなければ、この不透明な状況においてしっかりと政策を進めることはできない。国民の安心につなげることはできない。こういったことから、こうした下振れリスクに備える意味からも金額をバランスしなければいけない。こういった議論を行いました。 先ほど言いましたように、内容だけではなくして、規模においても、国民の安心を確保するためにどれだけの規模を用意しなければならないのか、こうした議論が行われた。今回の額についてはその結果であったと思います。よって、この経済対策の効果、国民の皆さんに安心してもらうために内容をまた今後も丁寧に説明するとともに、規模についても政治がどのように考えたのか、こうしたことについて丁寧に説明をし、これから不透明な時代にしっかり対応できる経済対策であるということを説明して、国民の皆さんの安心につなげていきたいと考えております。以上です。 司会:それでは、TBSの室井さん。