近づく瞬間、日経平均3万8915円更新期待で注目の8銘柄
工事が徐々に進む大阪・関西万博会場。ネガティブなニュースがあふれているが、半年もすれば雰囲気はガラッと変わる可能性もある(写真:Getty Images)
2024年の株式相場もすでに1カ月が経過した。2月9日には、日経平均株価が3万7000円を一時突破したこともあり、今年は「日本の株式市場にとって新たな成長ステージの起点となるような節目を迎える1年になる」との期待がますます高まっている。 もっとも期待されるのは「失われた30年」と言われるように、長く日本経済や株式市場を苦しめてきたデフレからの脱却だ。明確な“物証”があるわけではないが、デフレ脱却の“状況証拠”は整ってきた。 まず、経済を先取りして動く株価が好調なことだ。日経平均株価は約34年ぶりの高値を回復している。そして、横ばいが続いていた日本の名目GDP(国内総生産)は新型コロナ禍からの回復で2023年7~9月期は595兆円と過去最高レベルに達した。15日に発表される同10~12月期も、年率換算で2.5%前後の成長が見込まれている。 また、昨年度の消費者物価上昇率は41年ぶりの水準、2023年の春闘における主要企業の賃上げ率は3.58%と30年ぶりの高水準に達した。上場企業の利益も過去最高で、就業者数も過去最高レベルとなるなど、さまざまな経済統計や数字が、日本のデフレ脱却、新たな成長期入りを示唆している。 あとは日銀が言うように「安定的な物価上昇と賃金上昇の好循環」ということになるだろう。すでに連合は2024年の春闘のベースアップと定期昇給を合わせて前年を上回る賃上げ率「5%以上」との目標を掲げている。3月15日に公表される春闘回答集計などを通じて賃上げへの手応えが確認できれば、日銀の「マイナス金利解除」につながり、デフレ脱却の明確な“物証”になる。
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有沢 正一