バスケ「3x3」で宇都宮市の経済効果が約20億円! プロ選手が高齢者と体力づくりなど市民巻き込むスポーツまちづくりがスゴすぎる
FIBAとの関係も強固になり、ワールドツアーだけではなくパリ五輪の予選会も宇都宮市で開催。次のロサンゼルス五輪が開催される2028年まで、同市でのワールドツアー「宇都宮オープナー」開催の合意がされているという。 こうしたチャレンジが成功した背景には、実は30年以上も前から開催している、『宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース』の実績もあるという。 「世界のトップチームが集うアジア最高位のワンデイロードレースと、前日にまちなかの大通りをハイスピードで周回する『クリテリウム』を開催するにあたって、自転車のワールドツアーへ視察に行き、そこで得た取り組みやノウハウを反映しています。交通規制のための警察とのスムーズな連携や、行政の管轄でない場所を大会会場にできたのも、自転車レースを始めとしたスポーツやイベントなどを長年継続して開催してきた実績が大きいです」(杉山さん) 自転車レースの市民の認知度は9割を超えているが、「3x3」は6割程度でまだ伸びしろがあるという。「我々は宇都宮ブレックスを始めとしたプロスポーツチームと『包括連携協定』を結び、連携しやすい体制になっています。市民がアスリートを身近に感じ、街の活性化につながるような地域貢献活動にも、積極的に協力してくださっています。大規模イベントとも並行しながら、スポーツを通じて市のブランド力をより向上させ、街のさらなる活性化につなげたい」と杉山さんは意気込む。
心から楽しめるスポーツの力が高齢者の健康増進に
プロスポーツチーム側は、行政と連携した街づくりに対してどのように考えているのだろうか。 「はい、右に進んで一歩下がります!」 8月のお盆の朝10時、宇都宮ブレックスのホームアリーナの体育館である、ブレックスアリーナ宇都宮から聞こえてきたのは、サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」の音楽とチアリーダーの元気な声。60代以上の男女の高齢者27人が両手にポンポンを持ちながら、宇都宮ブレックスチアリーダー「BREXY(ブレクシー)」の3人のメンバーが見せる、簡単な振り付けに合わせて踊っている。これは、宇都宮市介護予防事業の一環として、宇都宮ブレックスを運営する栃木ブレックスに委託している高齢者向けの健康イベント「いきいき健康バスケットボール教室」の一コマだ。 足腰の筋肉を鍛えて、高齢者の心身の機能が衰える「フレイル」状態、ひいては寝たきり状態の要介護を防ぐための無料イベントで、宇都宮市の保健福祉部高齢福祉課の主導で2013年から継続している。
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