子どもの作文 どんな点をほめると伸びる?
素直な気持ちが懸命に記された小学生の作文。読むと、胸がきゅんとなりますね。ほめてあげたいけれど、言葉にしようとするとどこをどうほめたらよいのかわからない。「また書きたい!」という意欲を育てるには、どんな点を認めてあげるとよいのでしょうか。 (赤ペン先生 河原)
まずはお子さまの作文を心から楽しみましょう
我が家の子どもたちが小学校を卒業して久しくなった今、純粋な読者として小学生の作文を読む機会が失われたことをとても残念に思います。予想を超える展開の、面白くてワクワクさせられてグッとくる文章を堪能できた期間の何と短かったことか。つたなさは《味》でありました。 「赤ペン」でも子どもたちの作文にふれることはできますが、赤ペン先生として「字のまちがい」や「文のわかりにくさ」などを直さなくてはいけないのがツライところです。できれば手放しで花丸をつけてあげたい、といつも思ってしまいます。 お子さまがおうちに持ち帰る作文にも、必要な部分には学校の先生の指導が入っていることでしょう。おうちのかたは一読者として、お子さまの作文を大いに楽しんであげるとよいのではと思います。 作文を書くにあたって最も大事にしたいのは「書きたい」「伝えたい」という思いです。自分が書いた作文を楽しそうに読んでくれている。それだけでお子さまは「書いてよかった」と思うにちがいありません。
作文の中に探したいのは「お子さまの気持ち」
お子さまの作文を読みながらぜひ探していただきたいのは「気持ちが感じ取れる」部分です。心に感じたことを感じたままに自由に表現している、お子さまの気持ちがキラッと光る一文を見つけてみましょう。感動的な言葉や凝った言い回しでなくても、素直な言葉はおうちのかたの心にきっと届きます。それが「伝わる」ということではないでしょうか。 おうちのかたからの「ほめ言葉」も、素直な気持ちを言葉にしたほうがお子さまの心に響きます。その時感じたまま、胸の内に浮かんだ思いをそのまま伝えてあげましょう。 無理にほめ言葉にしなくても「こんなことがあったんだね」「こんなふうに感じたんだね」と、書いてあることをそのまま受け止めるだけで、お子さまは自分が書いた思いが「伝わった」と感じるでしょう。そして自分自身を認めてもらえたようにも感じられると思います。