プラネタリウムでデートは日本だけ? 学習施設のその先にあるもの
学習施設のデートスポットとしての可能性
エンターテインメント性を追求したプラネタリウムプログラムは、世界的には“異端”のようだ。宇野担当課長は、「海外のプラネタリウム業界関係者には、カップル向けのプラネタリウムといっても理解されません。プラネタリウムがデートスポットなのは東京だけ」と苦笑する。 世界的に、プラネタリウムは娯楽ではなく学習施設として見なされているからだ。そのため、同社の直営館には日本語プログラムだけを用意。外国人観光客も少ないため、インバウンド需要から海外のニーズに火がつく状況も今のところ考えられないという。 日本でも、自治体が運営するプラネタリウムがほとんど。こうした公的な施設において、星空は純粋に学びの対象だ。しかし、そこに娯楽性を加えることによって、「スキマスイッチで見た星はどこにあるんだろう?」なんて会話が始まるかもしれない。敬遠されていた学習施設がより身近になり、学びのきっかけになるかもしれない。 東京の空には星がない。星空を取り戻すためには、まず星空に関心を持ってもらうことから始めるしかないのだ。 (取材・文:具志堅浩二)