親が叱らずに済む「肯定的な注目」の効果がすごい 子の行動3分類、ナレーションで無理なく続く
できたことをノートに書いて小学校入学を楽しみに
――春の小学校入学に向けて、不安を抱えている親も多いと思います。4月までになにかやっておくべきことはありますか? 大切なのは子どもに小学校に行くのが、わくわくして楽しいことだと思ってもらうこと。取り組む内容は人それぞれだと思いますが、焦らずに子どもの気持ちを上げていくことが大事なので、「がんばりなさい」という言葉は使わないようにしましょう。 おすすめなのは大切に使いたくなる少しいいノートや手帳を1冊買って、小学校に行くためにやることやできたことを記録すること。 「ひらがなの練習」などちょっと難しいことから、「友達と仲良くできた」など簡単なことまでなんでもOK!事前に約束を書いておくのもいいし、できたことをその場で日記のように書いてからシールを貼って、毎日持ち歩いてください。できたことで埋まっていくノートを見ると、子どもも自信がつきモチベーションが上がって、小学校へ行くことがどんどん楽しみになっていきます。 私の息子も発達特性があるのですが、年長になった頃から入学まで1冊のノート(手帳)を作りました。息子にとってノートは今でも頑張った証しとして、宝物になっています。 ――入学してからも思うように進まないことが起こったら、どうしたらいいのでしょうか? もしかしたら子どもが「学校に行きたくない」と言うかもしれませんよね。それ以外にもうまくいかないこと、やりたくないことが出てくるかもしれません。そういうときに大切なのは親が視野を広げて、たくさんの選択肢を用意してあげることです。「子どもが学校に行けなくなった、どうしよう」ではなく、家庭教師やフリースクールなど他の選択肢を親が先回りして用意しておけばいいのです。 私の息子の場合、計算が他の子どもよりも極端に苦手でした。でも視覚的にものを理解する能力は高かったのでそろばんを習わせると、時間はかかりましたが計算が上手にできるようになりました。目的は計算ができるようになることなので、方法はなんでもいいのです。子どもの特性に合わせた得意な方法が見つかるように、選択肢を持っておくと安心だと思います。 ――発達特性を持つ親御さんにアドバイスがあればお願いします。 自分の子どもが普通とは違うと思っても、諦めないでください。普通ではないことはこれからの時代ではきっと強みになるので、親が子どもの得意なことを見つけて伸ばしてあげましょう。そうすれば子育てがもっとワクワクしたものになるはずです。 もし普通ではないかもしれないと思っても、焦ることはないですよ。病院で診断してもらうことばかりにとらわれると、視野や子どもの将来が狭まってしまうかもしれません。子どもへの接し方を今日から変えるだけで、子どもの将来も大きく変わります。そのためにもぜひ、医学や心理学に基づいた子どもの伸ばし方を知っているといいなと思います。 (文:酒井明子、注記のない写真:Ushico / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部