ピッペンが愛用したナイキ「エア モア アップテンポ」に待望のローカットがドロップ!
「エア モア アップテンポ」、通称、モアテンのローカットモデルがインラインにはじめてラインナップされた。 ▶︎すべての写真を見る グラフィカルな“AIR”はより目を引くデザインにアップデートされ、ヒールとシュータンにはジュエルスウッシュがあしらわれた。タブをセットすることで着脱を容易にした機能上の工夫もポイントだ。 ブラック、メタリックシルバー、フォトンダストで構成されたカラーウェイは往年のスターが足下の相棒とした一足を彷彿させる。
履いたのはあのスコッティ・ピッペン
「エア モア アップテンポ」は1996年にドロップされ、同年開催されたアトランタオリンピックで一躍脚光を浴びたバスケットボールシューズだ。 そのシューズに足を滑り込ませたのは、史上最高のスモールフォワードと謳われたシカゴ・ブルズのスコッティ・ピッペン。背番号の33は永久欠番となった。
マイケル・ジョーダンが抜けた穴を見事に埋めたピッペンは自他ともに認めるブルズのエースであり、彼が履いた「エア モア アップテンポ」も熱狂的に支持された。 「エア モア アップテンポ」の成功を語ろうと思えばピッペンの存在を無視することはできないけれど、そもそものインパクトが大きかった。はみ出さんばかりの“AIR”のレタリングはストリートカルチャーにインスパイアされたと、デザイナーのウィルソン・スミスは語っている。 フロント、ヒール、ヒール中央部にエア圧の異なるクッショニングを組み込んだ、当時の技術を結集したビジブルエアも特別な一足足らしめるのに一役買った。
Airクッショニングをベースに、パッド入りのトップライン、耐久性のある合成皮革のアッパー、通気性を担保するベンチレーションとメッシュのシュータンで脇を固めた「エア モア アップテンポ」は履き心地も別格だった。 2000年代に入るとファッションシーンにおいても欠かせないモデルとなる。シュプリームやアンブッシュがコラボレーションの相手に選ぶと、そのポジションは不動のものとなった。 冒頭、「インラインではじめて」と書いたように、ローカットモデルはコラボレーションですでにかたちになっていた。そのリクエストをしたのがアンブッシュである。
映画界も認めた90年代を代表する一足
「エア モア アップテンポ」はリリースされてそうそう、銀幕デビューを果たしているのをご存じだろうか。ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが制作した『ジャングル・ジョージ』(1997年公開)がそれだ。 現代版ターザンとでもいうべきこの映画にはゴリラに育てられた主人公がスニーカーを履くシーンが出てくる。なにを隠そう、そのスニーカーこそ「エア モア アップテンポ」だった。 その文脈から読みとれることは、「エア モア アップテンポ」が当時の文明社会を象徴するプロダクトだったということである。平たくいえば、イケてたわけだ。
OCEANS編集部