筋トレや有酸素運動より「合理的にやせる」方法があった…!1日に食べていいカロリー量を「34×なりたい体重」で計算する「ロジカルダイエット」のススメ
何もしなくてもカロリーは消費する
では、おおよその消費カロリーの求め方が分かったところで、人の1日の消費カロリーを求めてみることにしましょう。 体重60kgの人が、1日中(24時間)何もせず安静(1メッツ)にしていた場合、1日の消費カロリーは次のようになります。 1(メッツ)×24(時間)×60 (kg) ≒1440(kcal) すなわち、体重60kgの人は1日中何もしなくても1440kcal消費するということになります。 同じように、1日中安静にしていた場合の消費カロリーは、40kgの人は960kcal、50kgの人は1200kcal、70kgの人は1680kcal、80kgの人は1920kcalとなります。 もっとも、1日中何もしないで安静にして過ごすなんて、普通の人にはできません。仕事であれ家事であれ、1日24時間のうち相当な時間、何かしらの活動に費やしているはずですよね。 ただ、どれくらいの強度の活動をどれくらいの時間行なっているかは人によってまちまちです。たとえば、「デスクワークで座っている時間が長く、ほとんど動いていない人」「工場のライン作業など立ち仕事が多い人」「軽作業や営業で非常に多く動いている人」では、1日のトータルの運動量(メッツ・時)に大きな差が出ることでしょう。 そこで、「ほとんど動いていない人」「立ち仕事が多い人」「非常に多く動いている人」の3パターン別に「1日の典型的な行動モデル」をつくり、その行動内容の「メッツ・時」を算出してみました。 細かい内容はここでは割愛しますが、それぞれの行動内容の「メッツ・時」を足していくと、 「ほとんど動いていない人は合計34メッツ・時」 「立ち仕事が多い人は合計38メッツ・時」 「非常に多く動いている人は合計48メッツ・時」 となるのです。
ほぼ運動なしでもやせられる
つまり、先の計算式で使った「34」は、活動量が少なくほとんど動いていない人の1日のメッツ・時の指標であったわけですね。いまは在宅ワークや時短勤務などが進んで社会人全体の活動量が減る傾向にあるので、「48」の人はわりと少なく、大部分の方は「34」か「38」に該当するかもしれません。 さて、「ほとんど動いていない人(体重60kg)」の場合、この「1日の合計メッツ・時」の34を当てはめると、1日の消費カロリー量を次のように求めることができます。 34(メッツ・時)×60(kg) ≒2040(kcal) すなわち、いまの体重が60kgであった場合、2040kcalが「現在の自分の体重を維持するのに必要なカロリー量」だということになるわけです。 同様に、「立ち仕事が多い人」が必要としている摂取カロリー量は、体重60kgなら「38 (メッツ・時)×60(kg)≒2280(kcal)」、「非常に多く動いている人」が必要としている摂取カロリー量は、体重60kgなら「48(メッツ・時)×60(kg)≒2880(kcal)」ということになります。 これより少ないカロリー摂取ではいまの体重は維持できず、どんどんやせていくことになるのですね。このように、3つのうちの「自分と同じパターンの合計メッツ・時」に「自分のいまの体重」を掛ければ、STEP1の「現在の自分が必要としている1日の摂取カロリー量」、すなわち「現在の自分が1日にどれくらい食べているのか」を把握できることになるわけです。 また、STEP2の「なりたい体重になったときの1日に必要なカロリー量」も同じ計算で求められます。つまり、3つのうちの「自分と同じパターンの合計メッツ・時」に「自分がなりたい体重」を掛けることで、「目標の体重になるために自分が1日に食べていいカロリー量」が算出できるわけですね。 これをまとめると次のようになります。 「ほとんど動いていない人」が1日に食べていいカロリー量→34×なりたい体重 「立ち仕事が多い人」が1日に食べていいカロリー量→38×なりたい体重 「非常に多く動いている人」が1日に食べていいカロリー量→48×なりたい体重 さらに、STEP1で求めた「現在の自分が必要としている1日の摂取カロリー量」からSTEP2で求めた「なりたい体重になったときの1日に必要なカロリー量」を引けば、STEP3の「1日に減らすべきカロリー量」が算出できることになります。 つづく後編記事『「朝昼晩、コンビニめし」「栄養バランスは無視」でも最初はオッケー…!3ヵ月で勝手にやせる体をつくる「ロジカルダイエット」がスゴかった! 」』では、このメソッドのポイントについて、さらに詳しく紹介します。
清水 忍(パーソナルトレーナー)