空いてる駐車場なのにわざわざ隣に停める心理。トナラー対策どうする?
駐車場は「共有スペース」。相手もきっと「気をつけるはず」
駐車場トナラー対策としては、ネット記事にもいろいろありますが、根本的な解決策はなさそうです。 私もできるだけ辺鄙な区画に停めるように意識していますが、トナラーは見逃してくれません。ガラガラの駐車場で、愛車の隣にぴったりとほかのクルマが寄り添っているときの絶望感たるや…。そんなときにイライラが収まるような、気持ちの切り替え方って何かないでしょうか? 藤田先生、教えてください! 「気持ちを切り替えようとしても、なかなか難しいときがありますよね。そんなときにお勧めしたいのは、心理学でいうところの『認知の再構成』です。捉え方を変えると言えば、わかりやすいかなと思います。 駐車場のトナラー問題では『自分のスペースを侵害されている!』と捉える人が多いと思います。これだと自分の権利を侵害してくる相手にイライラしてしまいます。『こんなことでイライラしても損だ』と気持ちを切り替えることができればいいのですが、自分が正しいのに相手を許すようで難しいと感じる人もいるのでは? そんなときには、駐車場に今停めているスペースを『自分のスペース』という捉え方をやめて『駐車場は誰もが使える共有スペースである』と捉え方を変えてみましょう。 自分のスペースを侵害されているという気持ちは、これで少しマシになるはずです。ドアをぶつけてしまうかも知れないというリスクの認知や不安は、『配慮して遠くに停めないのはとんでもない』といった怒りの感情に繋がりやすくなります。ここでも捉え直すテクニックを使って『ぶつかりそうな距離だからお互いに気をつけるだろう』というように考えてみましょう。ほんの少し気持ちがマシになると思います。 気持ちをマシにしてからなら、捉え方を変えてみる前に比べて、気分の切り替えが少し楽になるはずです。もし運悪くトナラーに出くわしてしまったときに試してみてください。皆さんの気持ちが少しでも穏やかになりますように」(藤田先生) 藤田尚弓(ふじた なおみ) 株式会社アップウェブ代表取締役応用心理士コミュニケーション分野の学際的研究に取り組む傍ら、企業と消費者を繋ぐコミュニケーションデザインを行なう会社を経営。専門家としてテレビ出演多数。著書に『いい人間関係は敬語のくずし方で決まる』『NOと言えないあなたの気くばり交渉術』などがある。所属学会は日本社会心理学会、日本応用心理学会、日本消費者行動研究学会。 Photo: Yohei Amazaki
Yohei Amazaki