オコエ、脅威の対応力。三球三振の後に代名詞の三塁打で衝撃紅白デビュー!
楽天のドラフト1位、オコエ瑠偉外野手(19)が7日、沖縄・久米島で行われた初の紅白戦に「2番・センター」で先発出場、回ってくるはずのなかった第4打席に無死一、二塁から左中間を破る打球で自慢の快速を飛ばした。走者一掃のスリーベース。梨田監督を「持っている。セカンドベースを回ってからのストライドが凄かった」と驚かせた。1、2、3、4打席と、打席をこなすごとに内容も右肩上がり。「前打席を反省して対応していくことができた。今の自分のアピールはできた」と、オコエも自画自賛。確かに、その進化、対応力もスーパールーキーにふさわしいスケールだ。
やはりオコエは、只モノではなかった。3タコのまま迎えた7回。7回制で行われた、この日の紅白戦は、この回が最終回で、しかも打順は8番から。3人で終われば「2番・センター」に入っていたオコエの第4打席はなかった。だが、連続四球から1番の岡島がレフト前ヒットで一人を返し、なお無死一、二塁でオコエに打順が回ってきたのである。 「アピールしたかったので、とにかくどんな形でも回ってきて欲しいと思っていた。高校時代は、正直、ゲッツーになるのが嫌で、『回ってくるな』と思ったときもあったが、プロに入ってからは違う。ランナーが(得点圏に)いることを考える余裕などなく、ただピッチャーに対してどう振っていくか。自分のスイングのことだけを考えていた」 マウンドには、昨年はBCリーグに派遣されていた育成契約の高堀和也(28)。ひとつ大きくボールが外れた後の2球目のインサイドのストレート。「少し詰まった」と、オコエが回想する打球は左中間を真っ二つ。こういう打球こそオコエの本領発揮である。二塁ベースを回ると、一気にギアが入ってペースアップ。2人の走者を返し、自らも余裕でサードへ滑り込んだ。 「飛んだコースがよかった。ラッキーという感じ。左中間を抜けた瞬間スリーベースコースかなという感覚があった。左中間、右中間を抜けたら常にスリーベースを狙う姿勢を持っている」 某社の計測によると、三塁到達タイムは、「11秒55」。自身のベストタイムは、10秒台だけに、最速タイムではなかったが、12秒を切るのは、プロでもトップクラス。夏の甲子園の高岡商戦で、史上2人目となる1イニング2本の三塁打を記録しているが、三塁打こそがオコエの脅威のスピードを象徴する代名詞である。 「走力が僕の武器。ベースランニングだけはしっかりやろうと考えていた」 バッティングのプロ対応がオコエの大きな課題だが、そのウイークポイントを、たった一打で覆い隠すほどの衝撃のスリーベースだった。 さらに三塁走者として、続く銀次のセカンドゴロで本塁に突入したがスタートが遅れた。それでもブロック禁止の新ルールの追い風も手伝って本塁はクロスプレー。手から回り込んで、間一髪でアウトになったが、梨田監督は、「あれだけスタートに遅れても、あのタイミングになるんだからね」と、そのスピードに舌を巻いた。