「1浪中央大学→銀行に就職」その後医学部に受かった彼の奮起。「医学部は無理だよ…」の悔しい言葉がバネに
前者は私立医学部であれば最大1152万円、後者は1000万~3500万円までお金を出してくれる場合があります。たとえば『○○市 医学部 奨学金』『○○病院 医師 奨学金』などで検索するとさまざまな地域や病院の修学資金が出てくるので、そこに申し込んで、自治体や病院に行って、なぜ将来この地域(病院)で働きたいのかを言えるようにしておくといいと思います。勉強面の対策はもちろんですが、こうした金銭面の対策もしっかり行うことで合格の可能性は広がります」
現在、MJさんは30歳。私立大学医学部の1年生として通っています。1限からたくさん授業が入っていることに戸惑いながらも、頑張って授業を受けて、医師を目指しています。 「今までの人生では、誰かに言われたことを作業のようにやっていました。でも、浪人をしたことで目的意識を持てるようになったと思います。明確に自分でやることを決めて、考えて行動するようになったと思いますね」 「私は一度、高校・大学を出て企業勤務をする王道とされる生き方をしていましたが、その中でやりたいこと、やってみたいことが見つかったので、別の道に行くことができました。受験をしていなかったら、一生モヤモヤが残ったと思いましたし、引きずっているだろうなと思います。
たいていの人が歩んでいる道から外れることは、勇気がいると思います。自分の人生の正解は自分が決めることですし、人に何か言われるからと考えるよりも、自分がやりたいかどうかを基準に判断することが、後悔のない人生を歩むために大事なのかなと思います」 ■エリートコースを捨て夢を叶える 地元のエリートコースを捨てて、本当になりたい自分になることを実現させた彼は、きっと患者のことも親身になって話を聞き、背中を押してくれる素晴らしい医師になるのだろうと思いました。
MJさんの浪人生活の教訓:他者から見て不合理な決断も、自分が納得できるならいい
濱井 正吾 :教育系ライター