【丸の内Insight】三菱UFJ次期トップ選び本格化、来春に新体制
グローバル競争で勝ち抜くために
MUFGは2024年3月期に続き25年3月期も最高益を更新する見通しだ。マイナス金利政策解除による追い風もあるが、海外を中心とした出資戦略が着実に成果に結び付いている。
その一方で、国内のリテール戦略ではライバル行と比べて出遅れも目立つ。金利のある世界の到来で、粘着性の高い預金の調達基盤となるリテール戦略の重要性は増している。グローバル競争で勝ち抜くためには、マザーマーケットである日本で盤石な体制をつくれるかどうかも課題となる。メガバンクの中で最もグローバル化が進んでいるが、世界の不確実性が高まる中、慎重かつ大胆な判断も求められる。
金融セクターで圧倒的な地位を占めるMUFGは、国内全業種の中でも時価総額でトヨタ自動車の約40兆円に次ぐ約20兆円を誇る。しかし、世界の金融界では13位にとどまっている。さらなる成長を目指してMUFGがどのような新トップにグループのかじ取りを任せるのか。今回の人事が中長期のMUFGの帰趨(きすう)を決めることになる。
MUFGの広報担当者は、トップの選任についてコメントを差し控えると回答した。また、半沢頭取らに広報担当者を通じてコメントを求めたが、差し控えるとした。
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Taro Fuse