【丸の内Insight】三菱UFJ次期トップ選び本格化、来春に新体制
複数の関係者によると、同委員会は年に4回程度のペースで開かれ、常にサクセッションプラン(後継者計画)を検討しているが、11月から亀澤社長の後任人事と三菱UFJ銀行を中心としたグループ各社の首脳人事に向けた大詰めの議論に入る。執行サイドが提出した候補者リストを基に指名・ガバナンス委が対象者のインタビューを行い、絞り込むという。
二代前の平野信行社長が社長退任後に持ち株会社会長に就いて以降その流れは続き、現在の三毛兼承会長も社長から会長に就任。同関係者らは亀澤社長も三毛会長の後任に就く可能性が高いとしている。亀澤社長の後任には三菱UFJ銀の半沢淳一頭取(1988年旧三菱銀行入行、東京大学経済学部)が有力視されている。
2021年に三毛氏の後を継いで頭取に就任した半沢氏は、この3年半で三菱UFJ銀行の収益力回復に尽力した。就任直前の21年3月期の銀行単体当期純利益は3メガバンク中3位の1445億円と、みずほ銀行の2674億円、三井住友銀行の3380億円に大きく劣後。しかし、24年3月期には8043億円にまで引き上げ、ライバル2行を凌駕(りょうが)する水準にまで立て直した。
MUFGは24年3月期のグループ連結当期純利益で過去最高となる1兆4908億円をたたき出し、収益面での半沢頭取の貢献は大きい。ある役員は半沢氏について、トップになる帝王学を身に付けているとし、本命視する声が多い。
一方で、20年に副社長から社長に昇格した亀澤氏は、同社で初めて銀行頭取を経ずにトップになった。経営のバトンを渡した当時の三毛社長は記者会見で「銀行頭取の経験がMUFGという総合金融グループをけん引していく上で必ずしも必要だとは考えていない」と述べており、半沢氏以外のトップ起用の可能性も残されている。
多士済々の4人の候補者
半沢氏が社長に就いた場合、焦点となるのは三菱UFJ銀頭取の後任人事だ。複数の関係者によると、4人が候補に挙がっている。(五十音順)