台湾政府機関へのサイバー攻撃、1日平均240万回 中国の関与指摘
Yimou Lee [台北 6日 ロイター] - 台湾の国家安全局は5日、台湾政府機関に対する昨年のサイバー攻撃が1日平均240万回と、前年の平均120万回から倍増したとの報告書をまとめた。大半が中国のサイバー部隊による攻撃だったとしている。 通信、輸送、防衛分野への攻撃が多かったという。 報告書は「攻撃の多くは効果的に検知・阻止されたが、攻撃の増加は中国のハッキング活動が一段と深刻になっていることを示している」としている。 中国は以前からハッキングへの関与を否定しているが、外国政府は中国による攻撃を頻繁に非難。米財務省は先週、中国のハッカー集団が同省のコンピューターに侵入し、データを盗んだと発表した。 台湾国家安全局の報告書によると、中国によるサイバー攻撃の一部は台湾周辺での中国の軍事演習に合わせて行われた。台湾の交通機関や金融機関のウェブサイトへのアクセスを妨害するDDoS(分散型サービス妨害)攻撃などを仕掛けたという。 報告書は「嫌がらせと軍事的威嚇を強化する」ことが狙いだと主張。中国が機密情報を盗むため、台湾の公務員の電子メールを標的にしているとの見方も示した。 報告書によると、中国のサイバー部隊は、幹線道路や港湾など台湾の重要インフラに侵入するため、持続的標的型攻撃(APT)やバックドアソフトといった技術も利用。 報告書は「台湾の政府業務を混乱させ、政治・軍事・技術・経済分野で優位に立つことを目指したものだ」としている。